今回の列車旅ポイント
「てくてくレトロ」の名前でYouTubeチャンネルやWebマガジンを運営し、東京のレトロなおでかけスポットを紹介している、レトロ好きライターの中村英里です。
浅草出身ということもあり、昭和レトロな喫茶店や昔ながらの街並みが大好きな私。今回は清澄白河へ。個性豊かなカフェやショップが点在する一方で、どこか懐かしさを感じる下町らしい雰囲気もある清澄白河。美術館や川沿いのカフェ、パン屋さんなどを巡り、散歩を楽しみました。
JR東京駅に到着したら、東京メトロ丸ノ内線で1分ほどの大手町駅へ。
大手町駅から東京メトロ半蔵門線に乗り換え、約10分で清澄白河駅に到着。そこから歩いて10分ほどの場所にある、「東京都現代美術館」に向かいました。
写真提供:東京都現代美術館
木場公園のなかにある東京都現代美術館は、国内外の多彩な現代美術を扱う美術館。美術に関する専門書を閲覧できる美術図書室やミュージアムショップ、カフェなども併設されています。
写真提供:東京都現代美術館
木々の合間にのぞく直線的な建物。そのコントラストが、美術館のモダンな雰囲気をより引き立てているように感じました。
次に向かったのは、東京都現代美術館から歩いて約10分の場所にある「ヒキダシ」。
古民家をリノベーションした、アンティークな雰囲気が魅力のカフェです。
壁一面の「ヒキダシ」が印象的な店内
熟成ローストポークのプレートランチと、レモネードをいただきました。
四元豚神威を使用した熟成ローストポーク
ソースは、国産玉葱を使用したシャリアピンソース。たっぷりとソースを付けてローストポークを一口ほおばると、ぎゅっと凝縮された旨みが口の中に広がります。お店で焼いているというフォカッチャも、もちっとした食感ですごくおいしかった!
ベイクドチーズケーキ
欲張って、デザートにベイクドチーズケーキも注文してしまいました。濃厚な味わいながら口当たりはなめらか。こちらも絶品で、大満足のランチでした。
次に訪れたのは、ヒキダシから徒歩15分ほどの場所にある「リカシツ」。
お店は「fukadaso」の1階
リカシツは、1933年(昭和8年)創業の理化学問屋が運営するアンテナショップ。大学や研究機関へ納めている理化学製品をインテリアに取り入れる「新たな提案」を実践する場としてオープンしました。
ビーカーに三角フラスコ、駒込ピペット(スポイト状の器具)……「これ、理科室にあったなぁ」と懐かしくなるような器具が、店内にずらりと並んでいます。
理化学製品を日常に取り入れるというのは、すごく斬新なアイデア。店内を見わたすと、「インテリアとして、こんなに自然に馴染むものなんだ」と驚きます。
元々の器具に工夫を加えた商品も並んでいます。ビーカーに持ち手をつけて、熱い飲み物を入れた時にも持ちやすいようにしたり、脚をつけてワイングラスとして使えるようにしたり。
こういったアレンジができるのは、職人さんとのつながりを大切にしてきた老舗だからこそ。ここでしか手に入らない個性的な商品がたくさん並ぶ、素敵なお店でした。
リカシツから10分ほど歩き、次にやってきたのは「TOKAKU Coffee +/兎角珈琲」。「中津さんのブラジルプヂン」が看板メニューのカフェです。
実は以前、週末の夕方に来たらプヂンが売り切れていてショック! ということがあり……。今回は無事プヂンを食べることができました。
ちなみに「プヂン」とはスポンジとプリンが2層になったブラジルのお菓子で、正式名称は「ボロ デ プヂン(Bolo de Pudim)」。メニュー名の「中津さん」は、店長のお知り合いのプヂン研究家で、その方のレシピを使っているそうです。
中津さんのブラジルプヂン
プヂンと一緒にドリップコーヒーも注文。ドリップコーヒーは浅煎り〜深煎りの6種類から選べて、一番浅煎りのエチオピアにしました。これだけ豆の種類を揃えているとは……プヂンだけでなく、コーヒーにもこだわりがあるお店なんだろうな、と感じます。
カラメルソースが染み込んだスポンジの上にのるプリンは、しっかりとした食感で食べ応えあり。念願叶ってやっと食べられたプヂンは、期待を裏切らないおいしさでした!
窓の外には清澄公園の緑が。心地よい雰囲気
以上で1日目は終了。TOKAKU Coffee +から10分ほど歩いて門前仲町駅へ行き、そこから東西線に約3分乗って茅場町駅へ。この日は茅場町駅近くのホテルに宿泊しました。
2日目がスタート! まずは清澄白河駅から歩いて15分ほど。清洲橋〜隅田川大橋付近の「隅田川テラス」へ。
清洲橋の向こうにはスカイツリーも見える
隅田川テラスは、隅田川の両岸に沿って整備された遊歩道。清澄白河付近の隅田川テラスからは、国指定の重要文化財である清洲橋や永代橋、スカイツリーの眺めが楽しめます。また、個人的に好きなポイントは橋を真下から眺められるところ。
清洲橋の下からの眺め
隅田川には多くの歴史ある橋が架かっていて、「これは何ていう橋?」なんて調べながら隅田川テラスを歩くのも楽しいひとときです。
そろそろランチを食べよう、ということで向かったのは、隅田川沿いのホテル・LYURO 東京清澄の2階にある「CLANN BY THE RIVER」。モーニングからランチ、ディナーまで営業しているオールデイダイニングです。
スペシャリティコーヒーやクラフトビールも味わえます。
店内は日の光がよく入り、開放的な雰囲気。外は「KAWATERRACE」という一般開放されているデッキテラスにつながっていて、そこで食事を楽しむこともできます。
KAWATERRACEにあるテラス席
この日はクラムチャウダーランチと、クラフトビールの「Golden Sunrise(Half)」をいただきました。
クラムチャウダーランチ(ブレッド)
あさりの旨みがしっかり感じられるクリームスープは、具もたっぷりで満足感あり。付け合わせはパンかライスかを選べます。
Golden Sunrise(Half)
Golden Sunriseは、すっきり軽やかでフルーティーな飲み口。昼から飲むビール、最高すぎるな!!!
店舗の奥にはビールの醸造スペースがあり、私が飲んだビールもお店でつくられたものだそう。
店舗内のビール醸造所
Golden Sunriseはクラフトビールのなかで「エール」と呼ばれるタイプのもの。エールは香りが華やかで、フルーツのような風味を感じられるものが多いのが特徴です(種類によっては苦いものもあります)。
私は昔、「ビールは苦くて苦手!」と思っていましたが、クラフトビールに出会ったのをきっかけにビールが大好きになりました。Golden Sunriseは、すごく飲みやすかったので、同じように苦手意識を持っている方にもぜひ試してもらいたい……! 新しい世界が広がるかもしれませんよ。
2日間の清澄白河散歩も、そろそろおしまい。最後にやってきたのは、CLANN BY THE RIVERから歩いて10分ほどの場所にある「大島牛乳ベーカリー」の直営店。
水は一切使わず、伊豆大島の「大島牛乳」のみで焼き上げる食パンやフォカッチャなどを販売しているお店です。
2025年7月には、清澄白河の駅前に大島牛乳ベーカリー&ミルクカフェがオープン。カフェでは、スコーンやジェラートなどが味わえるそうです。
大島牛乳のドリンクやアイスも販売どれにしようかな……とカウンターに近づくと、ふわりとパンの香りに包まれ、なんとも幸せな気持ちに。
家族へのお土産に、大島牛乳食パンと大島牛乳塩パン、大島牛乳フォカッチャ西東京ローズマリーの3種類を購入しました。
以上で1泊2日の清澄白河旅は終了。大島牛乳ベーカリーから5分ほど歩いて清澄白河駅へ行き、帰路につきました。
帰宅後、お土産に買った大島牛乳食パンをさっそく食べてみることに。
大島牛乳食パン
まずは食パンをそのまま一口。ふわふわ&もちっとしていて、牛乳の甘みを感じました。そのままでもおいしいし、トーストするとより香りが立って、また違ったおいしさが楽しめます。娘も気に入ったようで、「おいしい!」と言いながらたくさん食べていました。
大島牛乳塩パンとフォカッチャ
大島の塩がふんだんに使われている塩パンに、ローズマリーがふわりと香るフォカッチャ。こちらもとてもおいしかったです!
カフェやベーカリー、個性的なショップなど見どころが多い清澄白河。まだまだ行きたい場所もたくさんあり、またぜひ足を運びたいエリアです。
ぶらりと歩くだけでも楽しいので、ぜひお出かけしてみてくださいね。
掲載情報は2025年10月22日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→大手町駅→清澄白河駅→東京都現代美術館→ヒキダシ→リカシツ→TOKAKU Coffee +→門前仲町駅→茅場町駅(宿泊)
【2日目】茅場町駅→清澄白河駅→隅田川テラス→CLANN BY THE RIVER→大島牛乳ベーカリー→清澄白河駅→大手町駅→JR東京駅