今回の列車旅ポイント
お酒が生まれる場所には、いつも素敵な物語があります。こんにちは。これまでに8カ国40カ所を超える蒸留所や醸造所を訪れ、お酒の発信をライフワークにしているお酒ライターの児島麻理子です。
さて、みなさん「フルーツブランデー」というお酒はご存じでしょうか? フルーツブランデーは、ブドウ以外の果実を発酵・蒸留してつくられたお酒で、今、世界で流行の兆しを見せているんです。今回は、そんなフルーツブランデーの1つ、リンゴを原料としたアップルブランデーの世界を見学するため、青森の「モホドリ蒸溜研究所」に行ってきました。
JR東京駅からJR新青森駅までは、東北新幹線で約3時間。新幹線の車両に貼られた「Treasureland TOHOKU-JAPAN」のロゴマークに胸が高鳴ります。未知の宝がありそうな東北の旅にいざ出発です!
青森への旅は、列車と宿をお得なセットで申込みできる「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用するのがおすすめです。
モホドリ蒸溜研究所の最寄り、JR五所川原駅までは、新青森駅から奥羽本線と五能線を乗り継いで約1時間。窓からの田園風景を眺めていたら、いつの間にか到着していました。
五能線の車窓
太宰治が幼少期を過ごしたことで知られる五所川原。のどかな郊外の風景の中に、どことなく歴史や文化の香りを感じます。駅から10分くらい歩くと、「モホドリ蒸溜研究所」に到着します。
街中に現れる洗練された雰囲気の蒸留所
「もほどり」とは、津軽弁で梟(フクロウ)の意味。「津軽のリンゴ産業、リンゴ農家を守るフクロウのような存在でありたい」という願いが込められているそう。かわいらしいフクロウのモチーフが、いたるところでお出迎えしてくれます。
モホドリ蒸溜研究所の工場見学(※)は、体験時間が約30分の「スタンダードプラン」と約1時間の「プレミアムプラン」の2種類がありますが、今回はプレミアムプランに参加。同行スタッフが製造過程を丁寧に説明してくれます。
※編集部注:工場見学は両プランともに有料・予約制。詳しくはこちら
収穫シーズンの様子(パネルを使って紹介)
名称に「研究所」がつくモホドリ蒸溜研究所は、リンゴの種類別での蒸留や、通常はむいてしまう皮も用いた全果仕込みなど、さまざまなつくり方を研究しています。「全果仕込みは、世界的に見ても少数です。技術と手間が必要になりますが、その分、香り高いブランデーができます」と、スタッフの野呂さん。
試験蒸溜用の小型蒸留機
代表の木村さんは、リンゴ農家の出身。農業研修でヨーロッパに行ったことがきっかけで、青森のリンゴの美味しさを再認識し、お酒を通じて消費者にその魅力を伝えています。さらに、新しい世代が参入したいと思えるようなリンゴ産業にしたいと、さまざまな活動にも尽力されています。
ドイツ製の蒸留器
1200リットルの大型蒸留器が2台! この立派な機材にも代表の覚悟を感じます。最盛期(リンゴの収穫後)は、2台をフル稼働させているそう。
訪れた日は、稼働していないにもかかわらず、蒸留所内はリンゴの香りに満ちていました。香りだけでも幸せな気持ちに。
樽の熟成庫
ステンレスタンクで1年ほど寝かせてから完成するホワイトブランデーのほか、フレンチオーク樽やアカシア樽で熟成させたものもあり、1年半ほどの短期熟成のものは早起きを意味する「EARLY BIRD(アーリーバード)」という商品になります。
商品の裏ラベルになっている絵も発見
蒸留所に来たからこその発見も。主力商品の「LOVEVADOS APPLE BRANDY」のラベル裏面に描かれた絵は、蒸留所内に飾られている絵画をトレースしています。アダムとイブをモチーフに、青森在住の作家さんが描かれたものだそう。
見学ツアーが終わると、カフェスペースでおつまみとペアになった試飲の提供があります。
アップルブランデー3種類の飲み比べセット
1年のステンレスタンク熟成、1年半のオーク樽熟成、そして1年のアカシア樽熟成(未発売品)の3種飲み比べ。おつまみには、豆腐にじゃこがのったものや、サラミののったカナッペ、チーズが並びます。
豆腐とアップルブランデーの組み合わせは斬新ながら「なるほど、家でもできそう!」と思えるもの。サラミのカナッペはオーク樽熟成に、スモークチーズはアカシアの華やかな樽熟成によく合います。アップルブランデーはリンゴの酸味、そして青森産リンゴならではのジューシーな甘みが感じられて、親しみがありながらも香り高い味わいです。
加水して自分好みの度数で試せます
蒸留酒の良さは味と香りが濃縮していること。試飲したアップルブランデーには、500ミリリットルのボトル1本に10個分のリンゴが使われているものも。両手でも持ちきれないほどのリンゴがここに詰められているのかと思うと、愛おしさも感じます。
お土産のアップルブランデーミニボトルセット
ツアーの最後には、お土産にアップルブランデーミニボトルのセット(2種類)をいただきました。
商品ラインアップは拡大中とのこと
蒸留所に併設されたショップ
ショップでは、アップルブランデーを使ったモヒートやオリジナルカクテルも提供され、1杯から気軽に飲めます。
アップルジュースをお土産に
希少種のりんご「こうこう」をブレンドした「プレミアムブレンド アップルジュース」(「180ml×3本」セット)をお土産に購入しました。アルコールが苦手・弱い人にもうれしい!
こちらのりんご果汁100%のストレートジュース「プレミアムブレンド アップルジュース」(180ml×3本セット)をびゅうたび読者10名にプレゼントします。ぜひご応募ください!
本日はここまで。五所川原駅近くのホテルにチェックイン。
2日目は、JR陸奥鶴田駅へ向かいます。五所川原駅から五能線で1駅。
駅の屋根も鶴型!
陸奥鶴田駅周辺は、その名の通り、いたるところに鶴がいます。
駅のポストの上にも鶴
マンホールや道路にあるオブジェなど、鶴を探しながら歩くと、駅から約10分で「鶴田八幡宮」が現れます。
縁結びの神様として知られる鶴田八幡宮。その起源は807年(大同2年)にまで遡るといわれる、由緒ある神社です。
看板猫の「ねーちゃん」がお出迎え
青森の地で親しまれてきた鶴田八幡宮が全国的に知られる大きな理由は、地元の農家さん方とつくり上げる四季折々、季節限定の御朱印にあります。
季節限定の御朱印
「青森の良いものを知ってもらいたい」という想いから、桜の木や果実の絞りかすなど、サステナブルな素材を使った神社オリジナルの御朱印を開発されています。
御朱印帳
御朱印帳にもひと工夫が。ブドウの御朱印帳には、地元のブドウ「スチューベン」の絞りかすを使った和紙が、リンゴの御朱印帳には、リンゴの絞りかすを使った和紙が使われています。紙が酸化すると、ほのかに茶色く色づいてくるとのこと。
10月はブルーベリーの御朱印
御朱印帳を渡すと、果実が描かれた和紙のほか、日付と天気などを記して仕上げてくれます。お参りした日を覚えていてもらいたいという想いからだそう。ちなみに、10月の御朱印に記された果実はブルーベリー。和紙にブルーベリーの心地良い香りがしみ込んでいました。
鶴のおみくじは日本で唯一!?
そしてここにも鶴が! かつて鶴が飛来していたこの土地のことを伝えるべく、鶴田八幡宮オリジナルの鶴型おみくじ。餌代(!)は500円です(2025年10月取材時)。
鶴田八幡宮から徒歩20分ほどの距離にあるのが、2017年創業の「つがるワイナリー」です。ブドウ畑が併設され、岩木山を見上げる気持ちのいい場所にあります。
醸造所とショップを兼ねた店舗
つがるワイナリーのモットーは、クラフトワインを通じて、津軽の風土、歴史、伝統文化を伝えること。地元産のブドウ・スチューベンを使ったワインや、地元産の酵母「縄文酵母」を使用したワインなどをつくっています。
自社農園で育てているブドウ
特別にショップの横にある自社農園で、今年収穫が終わったばかりのブドウの木々を見せてもらいました。大切に育てられ、生き生きとした葉が茂っています。
発酵中のステンレスタンク
ショップに隣接した醸造所(醸造所内は取材のため特別に撮影)では、品種別に分けられた1000リットルサイズのタンクでブドウを発酵させています。
「小規模生産だからできる丁寧な製法を実践しています。発酵がゆっくり進む縄文酵母や、鶴田町産のスチューベンを使うことなど、地元ならではの取り組みだけでなく、リンゴや桃などを使ったクラフトワインにも挑戦しています」と、スタッフの石塚さん。
農園や醸造所を見学されたい方には、ワインの飲み比べとワイン1本お土産付きの「ワイナリー見学ツアー」(有料・予約制)がおすすめです。詳しくはこちら。
ショップに並ぶオリジナルのワイン
オリジナルのワインが並ぶショップでお土産に選んだのは、リンゴとブレンドした「跳人 2023」です。
自宅で自家製タコスとともに楽しみました
跳人 2023は、鶴田産のブドウ「ナイアガラ」を自然酵母で発酵させたものに、「ふじ」や「トキ」などのリンゴを漬け込んだもの。ブドウの酸味とリンゴの爽やかさが溶け合い、軽やかで飲みやすい新感覚のワインでした。
最後につがるワイナリーのワインバルへ。水曜〜土曜の17時〜20時は、醸造場に併設されたスペースをワインバルとして開放。醸造中のタンクを眺めながら、グラスワインが楽しめます。ワインバルは期間限定の営業で、12月下旬〜4月上旬くらいまでの冬季はお休み期間です(※)。
※編集部注:ワインバルは臨時休業することもあります。営業期間や営業時間について詳しくは公式Instagramをご確認ください
「縄文の奇跡 2023」とチーズプレート
鶴田八幡宮の御朱印帳にも描かれたスチューベンを使ったワイン「縄文の奇跡 2023」が味わえるとのことで、期待も膨らみます。おつまみには、自然派チーズを取り扱っていることで有名な「VIA THE BIO社」のチーズ3種類が提供されました。
縄文の奇跡は、ブドウの凝縮感がありながら、柔らかく飲み心地の良さと余韻の長さがあります。2カ月陰干しをしたというスチューベン、こんなに甘みが出るのだと感動です。
ワインを楽しんだら、帰路につきます。
生産者との距離が近い青森のお酒。そんなお酒を通じて、青森との距離も近くなったように感じました。これからもますます発展していきそうな青森のお酒文化。みなさんもぜひ、青森旅を楽しんでください。
掲載情報は2025年12月12日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
ご応募にあたっては、本応募要項にご同意の上ご応募ください。ご応募をもって同意いただいたとみなします。
■応募期間
2025年12月12日(金)~12月25日(木)まで
■応募方法
【びゅうたび会員の方】
1. 応募フォームにびゅうたび会員にご登録のメールアドレスと必要事項をご入力ください。
【びゅうたび会員以外の方】
1. びゅうたび会員にご登録ください。(無料)
2. 会員登録完了後、応募フォームに必要事項をご入力ください。
■賞品と当選人数
「プレミアムブレンド アップルジュース」(180ml×3本セット) 10名様(賞味期限:2027年2月まで)
■抽選・当選発表
・応募期間終了後、厳正な抽選を行い、当選者を決定いたします。
・当選者にはご登録いただいたメールアドレスへご連絡いたしますので、ドメイン「@jre-vts.com」と「@mail.viewtabi.jp」からのメールを受信できるよう設定をお願いいたします。
・当選通知受信後、指定の期限までに、当選したご本人が賞品のお届け先等、必要事項を指定の方法でご連絡ください。指定の期限までにご連絡をいただけない場合、当選権利を無効とさせていただきます。
・記入内容に不備、誤り、虚偽等があった場合、応募・当選を無効とさせていただく場合があります。
・当選された方のご連絡先が不明の場合や、長期不在等により賞品をお届けできない場合、当選を無効とさせていただく場合があります。
・抽選状況や当選結果等についてのお問い合わせは受け付けていませんので、ご了承ください。
■賞品発送
賞品は2026年3月上旬以降に発送する予定です。
※賞品の発送は日本国内に限らせていただきます。
※都合により発送スケジュール等が変更となる場合もございます。
※賞品の配送日時・配送方法・配送業者の指定はできません。
■注意事項
・ご応募は必ずびゅうたび利用・会員規約と本応募要項にご同意の上行ってください。
・ご応募はパソコンまたはスマートフォンからのみとなります。
・お一人様一メールアドレスでのご応募とさせていただきます。
・お一人様ご応募は1回となります。2回目以降のご応募分は無効となります。
・同一住所および同一人物への賞品の発送は1回までとさせていただきます。
・当選のご連絡前に退会をされた方、会員規約に違反された方は当選が無効となります。
・当選権利は当選者本人のみが行使できるものとし、第三者への譲渡(有償・無償を問わない)や換金を禁止させていただきます。
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・応募時にご入力いただいた情報はびゅうたび利用・会員規約第3条に則って取り扱わせていただきます。
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今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR新青森駅→JR五所川原駅→モホドリ蒸溜研究所→JR五所川原駅(ホテル)
【2日目】JR五所川原駅→JR陸奥鶴田駅→鶴田八幡宮→つがるワイナリー→JR陸奥鶴田駅→JR新青森駅→JR東京駅