乗鞍岳のご来光&雲海にうっとり……夢のような絶景に出合う信州ひとり旅 甲信越

乗鞍岳のご来光&雲海にうっとり…夢のような絶景に出合う信州旅

2018.09.04 甲信越長野
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こんにちは。温泉と山を愛する女ひとり旅ブロガー、月山ももです。

登山を始めて間もないころは「雲海」や「ご来光」は憧れでした。どちらも高い山に行かなければ見られないし、さらにご来光を見るには山の上に一泊する必要があるからです。

ですが、長野県の乗鞍高原から7月中旬~9月中旬まで運行している「ご来光バス」に乗れば、登山をしなくても、山の上に泊まらなくても、ご来光や雲海が眺められるのです! しかも、乗鞍高原は温泉も豊富で、滝や池を眺めながらの散策も楽しい場所。実を言うと私自身、季節を変えて毎年のように訪れています。

今回は、登山に慣れていない人でも楽しめる乗鞍高原の旅についてご紹介したいと思います。


【行程】


E353系新型車両のあずさで松本へ

朝7時ちょうどに新宿駅を出発する、あずさ1号に乗って約2時間40分の松本駅へ。2017年の12月から、新型車両で運行しているあずさ1号は、揺れも少なくなり、全席にコンセントもあってとても快適でした。

松本駅からは、アルピコ交通の列車とバスを乗り継ぎ、約1時間半かけて、乗鞍高原に向かいます。
山道を走り抜けていくバスは、車窓から流れる木々の緑を楽しめるのも素敵です。

乗鞍高原へ向かうバス

バスの車窓からも緑が楽しめる

滝と池を徒歩で巡る、乗鞍高原散策

乗鞍高原観光センターでバスを下車した後は近くのカフェでランチをいただき、「休暇村乗鞍高原」行きのバスに乗り換えます。

本日の予定は「善五郎の滝」と「牛留池」を巡る、のんびり歩いても1時間程度のコースです。
「休暇村乗鞍高原」行きのバスに乗り約5分、善五郎の滝に最も近いバス停の「すずらん橋」で下車します。
バス停から善五郎の滝に向かって遊歩道を歩いていくと「滝見台」なる眺望スポットにまずは着きました。

滝見台から見える乗鞍岳

滝の上に乗鞍岳が見える

善五郎の滝は、滝壺のすぐそばまで行って眺めることができるのですが、そこまで近づくと、滝の上のほうは見えません。ですが、滝見台からなら、その上にある乗鞍岳も一緒に写真に収めることができるのです。

滝見台から急な坂を下っていくと、滝の落ちる音がだんだん大きくなって、滝壺に近づいているのが感じられます。そしてこのあたり、水の色がとても美しい!

善五郎の滝

青みがかった水の色

善五郎の滝に着きました。バスを降りてからほんの15分ほどで、ここまで来ることができます。

善五郎の滝

善五郎の滝

滝の周辺は自然のマイナスイオンのシャワーで、かなり涼しかったです。
近くにいるだけでしっとりと全身が濡れてきますが、暑い日でしたので、それも気持ちいい!
秋以降の涼しい季節に行くのであれば、濡れて体が冷えないように、撥水加工のされた上着ぐらいは持っていったほうがよいかもしれませんね。

乗鞍高原の登山道

緑の道を歩いていく

善五郎の滝からは登山道を20分ほど歩いていきます。といってもよく整備された道で、アップダウンもあまりないので、スニーカーでも十分歩けます。本日のもうひとつの目的地「牛留池」に向かう途中には、通称「ねじねじの木」と呼ばれている不思議な形の五葉松がありました。

乗鞍高原にあるねじねじの木

ねじねじの木

ねじねじの木の向こうには、牛留池のほとりに立つあずまやが見えます。

「逆さ乗鞍」が映る牛留池

「逆さ乗鞍」が映る牛留池(うしどめいけ)

牛留池は「逆さ乗鞍」が水面に映る姿を楽しめる眺望スポットです。この日はやや曇りがちだったので、逆さ乗鞍は鮮明に見えませんでしたが、静かな池のほとりでは鳥の声や草木が風にそよぐ音がよく聞こえ、マイナスイオンたっぷりの滝のそばとはまた違った、癒やしの時間を過ごすことができました。

牛留池は「休暇村乗鞍高原」バス停から徒歩5分ぐらいのところにありますので、散策後はバスで乗鞍高原観光センターに戻り、近くのホテルにチェックイン。宿で夕食をいただき、仮眠を取ってご来光バスの時間を待つことにします。

深夜発のバスに乗り、ご来光と雲海を観賞

この日のご来光バスは午前3時40分に、乗鞍高原観光センターを出発します。(※9月1日~17日は午前4時10分発)発車時刻の10分前に駐車場に着くと、既にバスを待つ人の列ができていました。

※ご来光バスの情報は取材時(2018年9月)時点での情報です。最新情報はこちらからご確認ください。

ご来光バス

出発前のご来光バス

この日は、計4台のご来光バスが運行されたそうです。始発のバス停で満席となった場合、途中のバス停は通過することもあるそうなので、できる限り乗鞍高原観光センターのバス停から乗車したほうがよさそうです。

ご来光バス

ご来光ポイントにバスが到着

約50分の乗車で、ご来光が見えるポイントにバスが到着。

乗鞍岳の標高2716mにあるバス停

日本一標高の高いところにあるバス停

バス停の名前は「標高2716m」
2017年に新しくできた、日本で一番高いところにあるバス停です。終点の畳平まで行ってしまうと周辺の山に隠れてご来光は見えなくなってしまうので、手前のこのバス停で下車します。

バス停の目の前でもご来光は見えるそうなのですが、風が強くなければ、10分ほどで登頂可能な「大黒岳」に登るのがおすすめ!

乗鞍・大黒岳の山頂

ご来光を見やすい「大黒岳」に登る

大黒岳の山頂はとても広く、ご来光を眺めやすいのです。私も多くの人に続いて大黒岳に登ることにしました。

乗鞍高原観光センターをバスが出た時点では真っ暗でしたが、既にヘッドライトも必要ないぐらい周辺は明るくなっています。道もよく整備されており歩きやすいのですが、3,000メートル近い高所だけあって風が強い! 下界ではとても想像がつかなかった寒さ!

夏でもダウンを着てなんとかしのげるぐらいの気温と風でしたので、9月以降に行かれる際は特に、冬山に行くつもりの防寒対策をして行ったほうがいいと思います。

乗鞍・大黒岳からのご来光

真っ赤に焼けた空

大黒岳の山頂に着くと、空が赤く染まって、今にも日が昇ろうとしていました。間に合ってよかった!

乗鞍・大黒岳からのご来光

ご来光!

そして、ご来光です。
美しい……見られてよかった! ご来光は、晴れの日なら必ず見られるというものではなく、ガスや雲がかかって晴れていても見えない、ということもけっこうあるのですよね。

乗鞍・大黒岳から見える雲海

朝日に染まる雲海

朝日に染まる雲海も美しいです。
存分に堪能して、大黒岳からバス停に戻ってきましたが「標高2716m」バス停は下車専用のバス停なので、帰りのバスに乗るために畳平バス停まで10分ほど歩きます。

鶴ヶ池

鶴ヶ池を経由して畳平へ

畳平に向かう途中にある「鶴ヶ池」。朝の光を反射して神秘的に輝いていました。

高山植物コマクサ

可憐に咲くコマクサ

池の周辺には「高山植物の女王」と言われるコマクサが、可憐に咲いています。
畳平の周辺には、高山植物のお花畑があり、コマクサ以外にもさまざまな花が咲き乱れていました。

畳平周辺の高山植物

畳平周辺の高山植物の花畑

バスが出るまでの時間、しばし花を眺めて楽しみました。

乗鞍岳のバス車窓

車中からもすばらしい風景が楽しめる

帰りも50分かけてバスで下っていきます。明るくなった帰りは、バスの車窓からもすばらしい景色が楽しめました。

湯けむり館で硫黄泉に浸かり、ピザ&ビール

湯けむり館

湯けむり館

ホテルをチェックアウトした後は、乗鞍高原観光センターのお向かいにある「湯けむり館」に立ち寄ります。
乳白色の濃厚な硫黄泉が気軽に楽しめる、日帰り入浴施設です。

湯けむり館の露天風呂

露天風呂から乗鞍岳の姿が見える

開放的な露天風呂からは、乗鞍岳を眺めることができます。早朝にご来光を見てきたばかりの乗鞍岳を、温泉に浸かりながら眺めるって、なんだか不思議な気分ですね。

「湯けむり館」には、窯焼きの本格的なピザやパスタが楽しめるレストランが併設されています。

この日のランチは、レストラン「プリマベーラ」で。

湯けむり館の食事「木こり風ピザ」

おすすめの「木こり風ピザ」

おすすめの「木こり風ピザ」は、信州産のきのこと信州味噌のマリアージュが楽しめるメニュー。甘みのある地ビールとも相性ぴったりで、風呂上がりのビール&ピザを思う存分楽しみました。

すばらしい自然と温泉、グルメまで楽しめる乗鞍高原では、登山の経験がない人でも気軽に、ご来光や雲海をはじめとした、山のすばらしい景色に出合うことができます。秋からは紅葉も美しく色づく、乗鞍高原への旅を計画してみませんか?

この記事の内容は2019年7月9日現在の情報です。

 

今回の旅の行程

【1日目】JR新宿駅→JR松本駅→アルピコ交通上高地線 新島々駅→乗鞍高原観光センター

【2日目】乗鞍高原観光センター→乗鞍岳畳平→乗鞍高原 湯けむり館→JR松本駅→JR新宿駅

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この記事を書いた人

月山もも

山と温泉を愛する女一人旅ブロガー。 大学時代から、仕事あがりの風呂目当てに日帰り温泉でバイトしていた温泉好き。山麓の温泉宿を一人で巡るうちに「歩いてしか行けない温泉宿」に憧れを抱き、2011年から登山を始める。生来の単独行動好きのため山も一人で歩くことが多く、安全登山を心がけながら、試行錯誤しつつ登っている。ゆるハイクから雪山登山まで、テントも一人で担ぐ単独登山女子。 ブログ「山と温泉のきろく」に、温泉と登山のすばらしさを綴っている。山と温泉に魅せられる人を増やすことが、人生のよろこび。
山と温泉のきろく:http://www.yamaonsen.com/

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