本州の約3割を占めるほど広大な東北地方。観光スポットやご当地グルメも充実しているほか、至る所に温泉地があるのも魅力です。今回は、露天風呂に入りながら、雄大な自然が織りなす絶景を楽しめる東北の温泉を16カ所ご紹介します。
福島県・会津若松の中心地から路線バスでわずか20分程度という好立地にある川沿いの温泉郷が、東山温泉。約1300年前、名僧・行基によって発見されたといわれ、画家で詩人の竹久夢二や歌人の与謝野晶子ら文人墨客も訪れて和歌を残しています。
この歴史ある東山温泉でも珍しく自家源泉を保有している旅館が「会津東山温泉 原瀧(はらたき)」。源泉100%掛け流しの露天風呂が自慢で、四季折々の渓谷の絶景を楽しみながら、宿のそばを流れる「原滝」の水音を聞き、心地よい川風を感じることができます。
4種類の貸し切り露天風呂を備え、贅沢なプライベート温泉を満喫できるのも魅力。周辺には、白虎隊で知られる鶴ヶ城や飯盛山(白虎隊十九士の墓)などの観光スポットも。歴史を感じながら散策してみては。
自然散策や登山、釣り、スキーやスノーボードなどのアクティビティが充実した、自然豊かな福島県・裏磐梯。体を動かした後は、ゆっくりと温泉に浸かって疲れを癒やしましょう。国立公園内に位置する「裏磐梯レイクリゾート」は、桧原湖を眼下に望む絶景露天風呂が自慢の高原リゾートホテルです。ホテル敷地内から湧出する源泉掛け流しの「猫魔(ねこま)温泉」は、鉄分が豊富。空気に触れると酸化し、赤褐色になるという濁り湯で、古くから「黄金の湯」として知られてきました。天然の保湿成分であるメタケイ酸が含まれているので、美肌効果が高いことも魅力です。
また、ホテル内にあるおしゃれな売店は、一見の価値あり。会津の地酒や地元で穫れた新鮮な野菜や果物が並ぶほか、パッケージがかわいいチョコレートやクッキーなども。家族や友人だけでなく、自分用のお土産にもおすすめです。
JR福島駅から路線バスで約40分。磐梯吾妻スカイラインの玄関口に位置する高湯温泉は、歓楽街が一切ない、静かで落ち着いた昔ながらの湯治場の姿を守り続けています。青みを帯びた白濁色の源泉は、きりきずややけど、慢性的な皮膚病などに良いとされる名湯です。
この高湯温泉で150年続く老舗の旅館が「旅館玉子湯」。広々とした敷地内の庭園にある3つの露天風呂からは、春の桜、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の絶景を望めます。
庭園には気軽に利用できる足湯、創業当時の雰囲気を残したかやぶきの湯小屋「玉子湯」もあり、館内の2つの内風呂と合わせて計7つの温泉を楽しめるのも魅力です。
komeshin様
@komeshin0318
【ご本人コメント抜粋】
文化財に登録もされている本館
【びゅうたび編集部より】
歴史と和風建築の美しさを感じられる建物です
鎌先温泉は、宮城蔵王の玄関口・白石市にある南蔵王不忘山麓に位置します。この鎌先(かまさき)温泉の老舗宿「時音(ときね)の宿 湯主一條(ゆぬしいちじょう)」は、泉質の違う二つの温泉を楽しめるのが魅力。
ひとつ目の「洞窟の湯」は、大浴場のすぐ前の洞窟からお湯を引いている露天風呂。この洞窟は、90年ほど前に、ある男性がたったひとりで手掘りしたのだそう。入浴後は肌がつるつるになることから、「つや肌の湯」とも呼ばれています。紅葉の時期には、目の前に真っ赤なもみじが広がります。二つ目は「キズに鎌先」ともいわれる「薬湯(やくとう)」で、神経痛、術後の保養に良いのだとか。
また、木造の本館の2棟と土蔵は国の登録有形文化財に指定されており、日本の伝統技術や建築美を肌で感じることができます。
「時音の宿 湯主 一條」の宿泊レポートはこちら。
>歴史と自然に癒やされる【時音の宿 湯主一條】へ。
JR仙台駅からJR東北本線で約25分、日本三景と称される松島にあるのが松島温泉です。地面に浸透した数億年前の雨水が長い年月をかけて貯蓄されて生まれた温泉は、とろりとしているのが特徴。
松島湾の絶景を堪能できる露天風呂を備えているのは「松島温泉 湯元松島一の坊」。最上階に位置する眺望の湯「八百八島」からは島々を一望でき、朝は日の出、夜は満天の星を楽しめます。大きな屋根があるので、天候に関係なく入浴できるのも魅力。
Rie様
@1r1i1e
【ご本人コメント抜粋】
部屋からみた朝日が綺麗だった
【びゅうたび編集部より】
朝日と松島湾と水上庭園、見事なコラボレーションです
温泉を満喫したあとは、7,000坪という広大な敷地の水上庭園へ。目の前に広がる海や季節ごとの花や松林など、松島らしい景色を眺めながら散策したり、館内にある藤田喬平ガラス美術館でアートに触れたりできます。
MMKSGYM様
@mmksgym
【ご本人コメント抜粋】
松島 一の坊 大満足のホテルでした
【びゅうたび編集部より】
松島と福浦島をつなぐ朱色の橋が美しいですね
「松島温泉 湯元松島一の坊」の宿泊レポートはこちら。
>宮城・松島離宮へ。松島一の坊に宿泊しグルメと温泉も堪能
仙台の奥座敷と称され、歴代仙台藩主の隠し湯と伝わるのが作並温泉。JR仙台駅からJR仙山線で約40分、正岡子規や白洲次郎など数多くの文人墨客も訪れています。
作並温泉で、3つの源泉を趣が異なる8つのお風呂で楽しめる宿が「ゆづくしSalon一の坊」です。中でも一押しは、「眺望の湯」「河原の湯」「清流の湯」「立ち湯」と4つの湯船がある「広瀬川源流露天風呂」。 清流に今にも手が届きそうな絶景を満喫でき、春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、季節の移ろいを感じることができます。
また、JR作並駅から無料シャトルバスで約7分の場所に位置するニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所も、ぜひ訪れたいスポット。ウイスキーの製造工程を見学できるほか、試飲も楽しめます。
「ゆづくしSalon一の坊」で温泉とお酒をのんびり満喫した旅レポートはこちら。
>大人な週末旅@作並温泉。温泉宿でまったり過ごす&お酒も楽しむ
JR仙台駅から送迎バスで約2時間。宮城県の北東部、太平洋に面する南三陸町にある南三陸温泉。宮城県内では珍しい太平洋沿岸に湧き出した温泉を使用しているのが特徴です。この地にあるリゾートホテル「南三陸ホテル観洋」は、海に突き出たような露天風呂が自慢。地下2,000メートルの深層天然温泉に浸かりながら、かもめやウミネコが飛び交う志津川湾を一望できます。朝日が昇る様子も、まさに絶景。
みぃぽん様
@mii_pon34
【ご本人コメント抜粋】
景色最高でした
【びゅうたび編集部より】
目の前に広がる志津川湾、美しいですね
南三陸町といえば、新鮮な海の幸は見逃せません。四季折々の、地元の新鮮な海産物がたっぷりのった「キラキラ丼」は、贅沢な丼がリーズナブルに食べられると話題。特に無添加・新鮮なうにが盛られた5〜8月の「キラキラうに丼」は大人気です。
トムちゃん様
@tomjerrybob
【ご本人コメント抜粋】
南三陸さんさん商店街の、ミョウバンなしのウニ丼を堪能してきました
【びゅうたび編集部より】
ウニたっぷりの、まさにキラキラ輝くようなウニ丼ですね
「南三陸ホテル観洋」に宿泊し、南三陸のグルメを味わう旅レポートはこちら。
>宮城・南三陸でおいしい旅。ウニだくのキラキラ丼、地元産ワイン
Munenori Kamao様
@munenorikamao
【ご本人コメント抜粋】
休暇村岩手網張温泉「仙女の湯」
【びゅうたび編集部より】
森の中にある「仙女の湯」。紅葉が美しいですね
JR盛岡駅からバスで約1時間、「休暇村 岩手網張(あみはり)温泉」の敷地内にある5カ所の温泉が網張温泉です。その歴史は、飛鳥時代に編纂された「古事記」にまでさかのぼるほど古いもの。
岩手山の旧火口から噴き出す源泉は、約2キロの引湯管を通って、それぞれの温泉に分けられています。特におすすめは、混浴の露天風呂「仙女の湯」。ホテルの玄関から森の中を抜け約7分、滝の流れ落ちる沢沿いにある温泉は、まさに秘湯というにふさわしい別世界。秋は真っ赤に染まったモミジに圧倒されます。ただし、紅葉が終わると雪で閉鎖されるので要注意。網張薬師お参りお散歩会や、宮沢賢治の童話の朗読会など、参加体験イベントも充実しています。
心残景(心に残る日本の風景)様
@axlays
【ご本人コメント抜粋】
休暇村岩手網張温泉付近の紅葉
【びゅうたび編集部より】
色とりどりの紅葉と青い空、白い雲が印象的です
網張温泉と小岩井農場を満喫した旅レポートはこちら。
>岩手・網張温泉や小岩井農場の一本桜。ひとり旅で自然に癒やされる
将棋駒やラ・フランスの生産で有名な天童市。JR天童駅の東側に広がるのが天童温泉です。将棋駒生産量日本一の町だけに、駒を飾った橋の欄干や詰め将棋をあしらった歩道など、将棋駒のモニュメントが随所に見られます。
この天童温泉で源泉掛け流しの露天風呂を楽しめるのが「湯坊いちらく TENDO SPA&BREWERY」。庭に面した湯船から、春には桜、冬には雪など、四季折々の景色を望めます。岩・桧・陶器の3種類の趣ある貸切露天風呂は、家族や夫婦、カップルに人気。全国でも珍しく、温泉宿の敷地内にビールの醸造所があり、新鮮な樽生で湯上がりの一杯を楽しめます。
Chika Takahashi(Ito)様
@chikastagram311
【ご本人コメント抜粋】
朝から露天風呂貸切状態
【びゅうたび編集部より】
源泉掛け流しの露天風呂を独り占めなんて贅沢!
天童温泉旅館「桜桃の花湯坊いちらく」公式 様
@yubowichiraku
【ご本人コメント抜粋】
天童ブルワリー そばビール さくらんぼビール
【びゅうたび編集部より】
新鮮な樽生で風呂上がりの一杯なんて幸せですね
さらに、館内には山形県出身の彫刻家・松田重仁の作品の数々が展示されており、ミュージアムを訪れたような気分に。
1泊2日/東京駅⇔天童駅/夕朝食付き
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JR山形駅から蔵王温泉行きのバスで約45分。終点の地にあるのが、東北最大級のマウンテンリゾート地としてにぎわう蔵王温泉です。開湯1900年前と伝わる日本屈指の古湯で、泉質は強酸性の硫黄泉。肌と血管の若返り、殺菌・美肌効果があり、「美人づくりの湯」として知られています。
ゲレンデへ直行できる好立地にある宿が「堺屋森のホテルヴァルトベルク」。ウインタースポーツを楽しんだ後は、そのまま温泉で汗を流せるのが魅力。開放感抜群の露天風呂では、真っ白な雪景色を眺めながら源泉掛け流しのお湯に浸かることができます。
例年12月末から3月初旬までは、「アイスモンスター」と呼ばれる樹氷の観賞がおすすめ。夜はライトアップされて幻想的な雰囲気を味わえます。
湯野浜温泉は鶴岡市の西部、日本海に面した温泉郷。もともとは「亀の湯」と呼ばれ、これは天喜年間(1053~58年)に海辺で亀が温浴していていたという伝説に由来しています。
湯野浜温泉の中でも、とりわけ海に近い旅館が「湯野浜温泉 愉海亭みやじま」です。
宿の自慢は日本海の大パノラマを望める屋上の展望大露天風呂。総檜作りの「大海の湯」と、本物の漁船を浴槽にアレンジした「天空大漁の湯」の2つの浴槽を備えています。
湯船に浸かりながら大海原に浮かんでいるような気分になれること間違いなし。空一面を真っ赤に染めながら日本海に沈んでいく夕日は、まさにここでしか味わえない絶景。夏には、目の前の湯野浜海水浴場で海水浴も楽しめます。
じゅん様
@utakata_69
【ご本人コメント抜粋】
地平線に沈んでくの見るの
多分初めてですごく綺麗だった
【びゅうたび編集部より】
湯野浜海水浴場から望む夕日。すてきですね
青森県と秋田県を結ぶ五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ」のウェスパ椿山駅から、送迎バスで約10分。メディアで何度も取り上げられ、一度は訪れてみたいという人も多いのが、ひょうたん型をした混浴の露天風呂が特徴の「黄金崎不老ふ死温泉」です。
目の前に広がる海岸と一体化した露天風呂は、まさに絶景。黄金に輝いているのは、温泉の鉄分が酸化して変色するためで、もともとは無色透明。塩化物泉の入浴効果でよく温まり、湯冷めしにくい「熱の湯」ともいわれています。この露天風呂、16時以降は宿泊者しか利用できないため、美しい夕日と日本海のコラボレーションを楽しみたいなら宿泊がおすすめです。
絶景風呂を堪能したら、世界自然遺産である白神山地まで足を延ばしてみては。透明度が非常に高い「青池」は必見です。
青森駅から青い森鉄道線で約20分。陸奥湾に面した浅虫夏泊県立自然公園の一角にある浅虫温泉は、海水浴や釣り、森林散策が楽しめる観光地です。温泉の歴史は、さかのぼること平安時代。慈覚大師(円仁)が発見した当初は、布を織る麻を蒸すためだけに使われていました。その後、円光大師(法然)が傷ついた鹿が湯浴みするのを見て、村人に入浴を勧めたことから広がったそう。麻を蒸すことに由来し「麻蒸」が転じて「浅虫」になったといわれています。
この浅虫温泉で絶景露天風呂が楽しめる旅館が「南部屋・海扇閣」。最上階である9階に位置する露天風呂からは陸奥湾を眺めることができ、特に海を真っ赤に染める夕日は圧巻です。毎晩開かれる、本場の津軽三味線のライブも迫力満点です。
ex. プロ・ビーラー様
@probeerer
【ご本人コメント抜粋】
津軽三味線ってかなりロックだね
【びゅうたび編集部より】
目の前で楽しめる本場津軽三味線。生で聴いてみたいですね
十和田湖子ノ口から焼山までの14キロの流れが奥入瀬渓流。十和田八幡平国立公園を代表する景勝地のひとつです。この奥入瀬渓流沿いにたたずむ渓流リゾートホテルが「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。JR八戸駅からバスで1時間30分の場所に位置します。このホテルの自慢は、すぐそばを流れる奥入瀬渓流を望む、絶景の露天風呂。季節ごとに移ろいゆく山々の景色を堪能できます。
また、12〜3月に訪れたらぜひ体験したいのが「渓流露天風呂 氷瀑の湯」。厳しい寒さで氷結した滝(氷瀑)を、温かい温泉に浸かりながら、ゆっくりと眺めることができます。
ロビーとラウンジには芸術家・岡本太郎が制作した巨大な暖炉があり、見どころのひとつとなっています。
1泊2日/東京駅⇔八戸駅/夕朝食付き
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JR盛岡駅からJR花輪線で1時間40分の湯瀬(ゆぜ)温泉は、秋田北部を流れ日本海に注ぐ米代川の渓流沿いに位置する温泉郷。川の瀬からも湯が湧き出していたことから「湯瀬」と名付けられたほど、豊富な湯量を誇ります。米代川に浸食された渓谷と、その両側に切り立つ奇岩絶壁の連なり、そして奇岩上に点在するヒメコマツの風情が美しい湯瀬渓谷が見どころのひとつ。
Takamiya Yutaka様
@y_takamiya
【ご本人コメント抜粋】
素敵な景観でした。紅葉の時期も良さそうですね。
【びゅうたび編集部より】
自然そのままの美しさが感じられる渓谷ですね
湯瀬渓谷を露天風呂から楽しめる宿が「四季彩り秋田づくし 湯瀬ホテル」です。一度入ると2歳若返るといわれる「美人の湯」をプライベート空間で楽しめる貸切風呂や、刻々と移り変わる八幡平の山並みを独占できる露天風呂付きの客室も人気。ホテルを出て、「湯瀬渓谷散策路」を歩くのもおすすめ。渓流沿いの散策路は整備されているので、気軽にトレッキングが楽しめます。
1泊2日/東京駅⇔盛岡駅/夕朝食付き
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秋田新幹線JR角館駅から送迎バスで30分の場所に位置する夏瀬(なつせ)温泉。江戸時代、角館城主佐竹氏が、温泉を管理するための材木を住民に授けたという文献が残っているほど、古くから地域の人々に活用されています。
この地にある一軒宿が「夏瀬温泉 都わすれ」。周りには民家も旅館もなく、客室もわずか10室のみ。静けさという贅沢を充分に堪能できます。魅力は、すべての客室についている源泉掛け流しの露天風呂。両岸の原生林と岸壁にかかる滝や独特の青い渓流が美しく、東北の耶馬渓と称される「抱返り渓谷」の絶景を湯船に浸かりながらゆっくり満喫できます。
キノフロニカ様
@kinokhronika7777
【びゅうたび編集部より】
ひっそりと渓谷美を堪能、大人の露天風呂ですね
naokun様
@naokiphotorecords
【ご本人コメント抜粋】
めっちゃくちゃきれいで、今現在まで色んなところ行ってきたけど、5本の指に入る絶景!
【びゅうたび編集部より】
美しい渓谷と見事な紅葉、まさに絶景です
温泉を楽しんだ後は、ぜひ抱返り渓谷の散策を。遊歩道が整備されているため、奇岩や急流、大小の滝を気軽に見ることができます。
東北各地にある数々の名湯・秘湯は、どこも魅力たっぷり。絶景を楽しみながらゆったりとお湯に浸かれば、日頃のストレスや疲れが吹き飛びそうですね。
掲載情報は2022年3月31日更新時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。