今回の列車旅ポイント
こんにちは。温泉と山を愛する女子旅ブロガー、月山ももです。
暇さえあれば温泉&登山を絡めた旅をしている私ですが、今回は山梨県の県庁所在地でもある甲府市で、地元グルメを楽しみつつ、知る人ぞ知る名湯をめぐる旅をすることにしました。
旅の始まりは新宿駅から!
駅直結の「NEWoMan(ニュウマン)」で朝食を買い、「特急あずさ」に乗車します。新宿駅から甲府駅までは、約1時間30分。
朝8時から営業している「Wa’s sandwich(ワズ サンドイッチ)」で購入した「かぼちゃ胡桃6色サラダ&煮たまごサンド」を頬張りつつ、車窓からの景色を眺めていると、気がつけば甲府駅に到着。新宿駅から甲府駅まで、あっという間に感じました。
甲府駅に着いたら、さっそく湯めぐりを開始します!
最初に立ち寄ったのは、昭和元年創業の歴史ある温泉銭湯、「喜久乃湯温泉」です。甲府駅北口から徒歩13分ほどで着きました。
喜久乃湯温泉は、あの文豪・太宰治も甲府滞在中に通っていたとのこと。
昭和の面影が色濃く残り、壁にかかる看板や、鍵付きのロッカーも昭和の風情を残しています。ですが館内はけっして古びてはおらず、床や番台もピカピカに磨き上げられています。
浴室にはモザイク模様のような丸いタイルが敷きつめられており、レトロ感たっぷり。
そして、雰囲気が良いだけでなく、お湯もすばらしいのです!
浴室の奥にある小さめの二つの浴槽は共に源泉かけ流し。下段(写真左側)の浴槽は38度ほどのややぬるめの温度に加温されていますが、上段(写真右側)の浴槽は28度の「非加熱源泉のかけ流し」浴槽なのです! もちろん飲泉も可能です!
また、壁際に並んでいるシャワーとカラン(洗い場)のお湯にも源泉が使われています。
喜久乃湯温泉では、大人430円でサウナも利用可能ですから、非加熱の源泉浴槽を、クールダウン用の水風呂代わりに利用することもできます。430円でこれほど楽しめてしまうなんて、近所に住んでいる方がうらやましくなってしまいますね。
喜久乃湯温泉でひと風呂浴びたあとは、再び徒歩で甲府駅方面に戻ります。この後は宿泊する宿に向かうのですが、温泉に入って少し喉が渇いたので、駅前で冷たいものでもいただくことにします。
甲府駅南口から徒歩3分ほど、喜久乃湯温泉から徒歩18分ほどのところにある「六曜館珈琲店」へ。蔦の絡まる外観が特徴的で、遠目からでもすぐに見つけることができました。
中に入り席に着くと、外観の印象を裏切らない、昭和の純喫茶という風情の店内。時間の流れが緩やかになるような感覚を覚えます。
秋限定の栗のパフェと、六曜館ブレンドコーヒーをいただきました。
パフェは、たっぷりのアイスクリームと栗のクリーム、てっぺんには大きな栗の甘煮がまるごとのっており、酸味少なめの深煎りのコーヒーとよく合います。
湯村温泉郷にあるこちらの宿では、湯村温泉のすばらしい源泉と、地酒や地元の食材を使ったおいしい料理が楽しめます。窓から富士山が眺められるお部屋もあり、人気のようです。
この日はやや曇りがちなお天気でしたが、ラッキーなことに富士山はくっきりと、その姿を見せてくれました。
食事をいただく前にまずはお風呂へ!
男女別の大浴場には露天風呂もあり、ほんのりと硫黄の香りのする、湯村温泉のお湯を楽しみました。
夕食は食事処でいただきます。
なんと、食前酒は山梨県産の白ワイン! 量もたっぷりありました。料理に合う辛口ワインで、食欲が湧いてきました。食前酒は、お酒が飲めない方用にぶどうジュースも用意しているそうです。
料理は「甲州ワインビーフのステーキ」をはじめ、山梨県産の食材を使った皿が次々と並びます。
食前酒がなくなったところで、大好きな日本酒を注文することにしました。左から「七賢(しちけん)」「春鶯囀(しゅんのうてん)」「太冠(たいかん)」と、いずれも山梨県を代表する酒造メーカー(山梨銘醸、萬屋醸造店、太冠酒造)のお酒です。もちろん、山梨県産のワインを注文することもできます。
どの料理もおいしかったのですが、中でも印象に残ったのが、〆に出てきた冷たいお蕎麦です。麺はモチモチとした歯ごたえがあって香りもよく、旅館のコース料理の一品とは思えないおいしさに驚いていたら……、こちらのお宿「生そば処 らくすい」なるお蕎麦屋さんも併設しているのですね! それは、おいしいわけだわ……!
飲んで食べて、少し酔いを覚ましてからまたお風呂に入り、明日の湯めぐりに備えて早めに休むことにします。
翌朝は朝食をいただいてからチェックアウトし、再びバスで甲府駅に戻って、駅近くでレンタサイクルを借りました。2日目は、レンタサイクルを使って湯めぐりを楽しみます!
最初の行き先は、温泉銭湯の「草津温泉」です。自転車で、甲府駅から15分ほどで着きました。草津温泉と言えば群馬県の温泉地を思い出す方が多いと思いますが、こちらの草津温泉はもともと、群馬県の草津から移り住んだ方が始めた「草津湯」という銭湯だったとのこと。当初は温泉銭湯ではなかったそうですが、ボーリングして源泉を掘り当て、名実共に「草津温泉」になったという歴史があるんだとか。
浴室には、47度の熱い源泉をそのままかけ流した高温浴槽、42度ぐらいまで冷ましてかけ流している中温浴槽と露天風呂もあります。どの浴槽も温泉らしいぬるつきがあり、飲泉も可能です。口に含むとほんのりと硫黄の香りもする、本当にいいお湯でした。
草津温泉は、早朝6時から営業しているので、早起きして朝風呂に入るのにぴったりな温泉銭湯ですね。
ゆっくりお風呂に入ったので、少し小腹が空いてきました。
草津温泉から自転車でほんの2~3分のところに「ずんちゃんパン」という昔ながらのお惣菜パンがおいしいパン屋さんがあると聞き、向かってみることにします。
外観も懐かしい雰囲気のパン屋さんです。甲府駅からはやや遠い住宅街の中にあるのですが、地元の方に非常に人気があるということで、ひっきりなしにお客さんが訪れていました。まだ午前中だというのに、ショーケースのパンが残り少なくなっていることにびっくり!
購入したのは「ハッシュ卵サンド」と、「プリンクリームパン」です。トロトロの玉子サラダと、カリッと揚がったハッシュドポテトをコッペパンに挟んだハッシュ卵サンドは、ボリュームたっぷりだけど優しい味わいで軽くいただけてしまいます。プリン味のクリームがたっぷり詰まった「プリンクリームパン」はデザート感覚でつまむのにぴったり。
値段もリーズナブルで、人気なのも頷けるおいしいパン屋さんでした。
おいしいパンをいただいた後はまたお風呂へ! 今回の旅を締めくくる最後の温泉銭湯は、「国母温泉」です。ずんちゃんパンからは自転車で10分ほどの距離です。
国母温泉は、琥珀色をしたモール泉と呼ばれる46℃の源泉で、 高・中・低温の浴槽に掛流しされています。「ナトリウム塩化物−炭酸水素塩泉」というつるつる感のある泉質で、美肌効果があるといわれています。
内湯のほかに露天風呂もあり、源泉がどんどんかけ流されています。
露天風呂は、街中の銭湯でありながら開放感があるのが特徴です。秋の爽やかな風を感じながら、この旅最後の湯あみを楽しみました。
国母温泉からは甲府駅に、自転車で15分ほどかけて戻ります。レンタサイクルを返却し、「特急かいじ」に乗って再び新宿駅に戻ります。
「特急あずさ」や「特急かいじ」に乗れば東京からあっという間の甲府が、リーズナブルに湯めぐりを楽しめる温泉天国だということは、まだあまり知られていないのではないでしょうか。天気のいい休日に、ふらっと甲府で湯めぐり、かなりおすすめです。
掲載情報は2019年11月29日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
六曜館珈琲店
〒400-0031 山梨県甲府市丸の内2丁目15−15
営業時間:9:00-22:00
定休日:日曜
今回の旅の行程
【1日目】新宿駅→甲府駅→喜久乃湯温泉→六曜館珈琲店→湯村温泉楽水園
【2日目】湯村温泉楽水園→甲府駅→甲府駅→ずんちゃんパン→国母温泉→甲府駅→新宿駅