今回の列車旅ポイント
こんにちは、観音クリエイションです。ここ数カ月、リモートワーク続きでパソコンの画面ばっかり見ています。そろそろ体を動かしたい。そしてしっかり休んでリフレッシュしたい!
そんな相反する欲求を満たしてくれる場所が群馬県にあります。今回、目指すは奥四万(しま)湖とその近くにある四万温泉。いざ、心身をととのえる1泊2日の旅へ。
早朝、JR東京駅から目指すは本日の目的地、奥四万湖。
北陸新幹線に乗り込んで、約1時間でJR高崎駅に到着。高崎駅からは吾妻線に乗り換えて約55分、JR中之条駅を目指します。
吾妻線の車窓から見えるのはのどかな田園風景。ついさっきまでは東京でコンクリートだらけの景色を見ていたのに、列車でちょっと離れるだけでこんなに緑がいっぱいになるとは。
いくつものトンネルをくぐり抜けて中之条駅に到着。ここから路線バスに乗り換えて、終点の四万温泉へ。バスの乗車時間は40分ほど。
バスに揺られながら景色を眺めていたらあっという間に四万温泉に到着。
バス停が木彫りのニホンカモシカ。かわいい。四万温泉近辺に生息しているらしいです。
四万温泉は「四万の湯は四万(よんまん)の病を癒す」という伝説から名付けられたと言われています。温泉は夜の楽しみにとっておくことにして、さらに先へ進みます。
四万温泉街から奥四万湖まではバスや列車などの公共交通機関や流しのタクシーがありません。なので歩いて行くことにしました。
山道を登っていたら小さな集落で三毛猫と遭遇。今日はいいことがありそう。
山道を歩くこと約40分、四万川ダムの駐車場に到着しました。堤高は89.5メートル。こういう超巨大な建造物を見ると「どうやって造ったんだ……?」「どんな作業から始めるんだ……?」と想像を巡らせてテンションが上がってしまいます。
駐車場から徒歩2分ほど、「四万せせらぎ資料館」に併設された「湖畔カフェ ・ラトリエ・ブルー」から、四万川ダムによってできた湖、奥四万湖を撮影。人造湖でこんなに綺麗な湖があるなんて知らなかった。
奥四万湖の水の色は「四万ブルー」と呼ばれており、季節や天気や時間帯によってその表情を変えます。雑誌や旅行のパンフレットに載っているようなコバルトブルーの青い湖面は春頃によく見られる色だそう。僕が行った8月末の奥四万湖は、上の写真のようにエメラルドグリーンに近い色味でした。
「四万せせらぎ資料館」近くの展望台に登ってパノラマモードで撮影。思わず息を呑む美しさ。
さてここで耳より情報。「この美しい湖をもっと近くで見てみたい」という欲求を存分に満たしてくれるアクティビティが奥四万湖にはあります。
それがこの「グリーンディスカバリー」が運営する「カヌーツアー(半日コース)」。奥四万湖をぐるっとまわるツアーに参加してみたのですが、もう最高でした。
透き通った美しい湖に浮かんで、のんびり景色を楽しむ。聞こえてくるのは小鳥のさえずりとパドルで水面を揺らす音。日頃の疲れや悩みがゆっくりとほどけていく気がします。贅沢で健康的な遊びだ……。
さっき、資料館近くの展望台から眺めた四万川ダムも、湖面から眺め上げることができます。圧倒的な存在感。
ガイドの田中哲二さんによると、「運が良ければこのカヌー体験中に野生のニホンカモシカが見られる」とのこと。
なるほど。わたくし、運には自信があります。
いた!
ちょっと岩に隠れていてわかりにくいのですが、ニホンカモシカの親子を発見しました。崖で草食べてた。かわいい。
ちなみにこのあともう1頭、別のニホンカモシカを発見できました。ガイドさん曰く「1日に3頭も見られることなんてそうそうないですよ」とのこと。やったぜ。これからも運だけで生きていきます。
そんなこんなで2時間半ほどのカヌーツアーは終了。いやー、いい運動になりました。
カヌーを終えて本日のお宿へ。ガイドさんに車で送り届けてもらうこと約10分、「四万やまぐち館」にやってきました。
部屋に入ると真新しい畳の香り。ああ、落ち着く。
さあ、楽しみに取っておいたお風呂に向かいましょう。
浸かったり風を浴びたりしながら1時間ほどかけて「渓流露天風呂 四万川の湯」を堪能します。
この温泉がまた良くてですね、今まで入ったどの温泉よりも肌がすべすべになりました。調べてみるとこの温泉はたっぷりミネラルを含んでいて、美肌の湯とも呼ばれているとのこと。なるほど、どうりで。
ちなみに温泉の入り口には上の写真のように、入る前におはじきを移動させることで入浴中の人数がわかるようになっていました。密を避けることができて安心。
お風呂上がり、お待ちかねの夕食は和食のコース。川魚や地野菜、目の前の鉄板で焼く和牛のステーキなど、群馬ならではの献立が嬉しく、どれもとてもおいしかったです。素材はもちろんのこと、その調理法や味付けが素晴らしい。一食で英気がフルに養われました。
夕食後はもう一度温泉に入って就寝。明日に備えてゆっくり休みます。
翌朝、四万やまぐち館をチェックアウトして、散歩がてら温泉街へ。
四万温泉街はコンパクトなサイズ感なので、歩いてサクッと回れます。スマートボールや昔ながらの喫茶店など、ノスタルジックなお店が並んでいました。
散策途中の買い食いには「焼きまんじゅう 島村」がおすすめ。四万やまぐち館から徒歩約10分。焼きまんじゅうは、そのビジュアルから大きいお団子っぽいものかな? と思ってかぶりついたら食感がふっかふかでびっくり。おまんじゅうに甘辛いタレを付けて炭火で焼いたものなのですが、これは四万温泉に来たらぜひ食べていただきたい。1串税込300円。
がっつりと食事を摂りたいときや、おいしいコーヒーを飲みたい気分のときは焼きまんじゅう島村の正面にある「四万温泉 柏屋カフェ」へ行きましょう。
キーマとタイ2種の味が一度に楽しめる柏屋カレー(税込1,350円)を注文。キーマカレーは肉の旨みがスパイスと調和していて美味。タイカレーはフルーツみたいな奥深さがありました。とても手間がかかっている感じがします。
そして食後には、温泉マークカプチーノ(税込750円)を。昭和初期の建物を改装した、落ち着いたインテリアの店内でいただくコーヒーは格別でございました。温泉マークがかわいい。
食後は中之条駅行きのバスに乗って帰路へ。列車の出発時刻まで結構余裕があったので、博物館前のバス停で降りて徒歩すぐ、事前に目星をつけておいたジェラート屋さん「ロカーレ・ジェラート」でデザートタイム。お店は、「中之条町ふるさと交流センターつむじ」内にあります。
四万ブルージェラート、税込320円!
フォトジェニックな色合いで、奥四万湖の涼しさを思い出す、爽やかな味。ここから中之条駅まで15分ほど歩いて向かい、そのまま東京へ帰ります。
自宅に戻り、旅の写真を整理しながら、四万温泉街の「高田屋菓子舗でお土産に購入した温泉まんじゅう(10個入り税込850円)をいただきました。こし餡にうっすらと塩味が効いていて、皮の黒糖の甘さと絶妙なバランスが取れていて美味。添加物を使っていないため消費期限が数日と短いのですが、パクパクと食べ進めてしまいました。
そういえば奥四万湖の湖畔に紅葉がいっぱい生えていたのが気になりました。秋に来たら色合いが変わって、また違う表情の奥四万湖を見ることができそう。絶対またいくぞ。
掲載情報は2020年10月20日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR高崎駅→JR中之条駅→奥四万湖→奥四万湖カヌーツアー→四万やまぐち館
【2日目】四万やまぐち館→四万温泉街→焼きまんじゅう 島村→四万温泉 柏屋カフェ→ロカーレ・ジェラート→JR中之条駅→JR高崎駅→JR東京駅