観光列車の最大の魅力は、単なる移動手段ではなく、乗ること自体が旅の目的になること。地域の文化、自然、食を列車内で楽しむことができます。特に食は、地元食材を使った創作料理や郷土料理、スイーツ、そしてお酒まで、その観光列車でしか味わうことができない特別なメニューが用意されていることも。

今回は食事付きプランのある観光列車や車内にカフェテリアがある観光特急列車など、食事が楽しめる人気の観光列車を5つ厳選。「ろくもん」や「サフィール踊り子」、「べるもんた」など、実際に乗車した列車旅レポートとともにご紹介します。

※編集部注:食事内容やプラン、運行状況などの最新情報は各鉄道会社の公式サイトなどをご確認ください

【目次】

①信州の魅力を味わい尽くす「ろくもん」(長野県)

観光列車「ろくもん」

しなの鉄道が運行する観光列車「ろくもん」は、長野駅と軽井沢駅の区間を約2時間10分で走行しています。名前は、長野県上田市ゆかりの戦国武将・真田一族の家紋である「六文銭」が由来。真田氏が出陣の際にほら貝を吹いたという伝説にちなんで、乗車開始時刻になると客室乗務員がほら貝を吹く演出からはじまります。

観光列車「ろくもん」の食事の例

列車内でいただける食事は、長野県千曲市にある和食会席料理店「竹葉亭」の二段重。信州の野菜を使った煮物や信州ハーブ鶏など、日本食の料理人が列車内で仕上げる創作和食は、味はもちろん、目にも楽しい。ご飯とお味噌汁も付いてきます。そして、食後には客室乗務員が列車内でたてるお抹茶の提供も。

▼「ろくもん」に実際に乗車した記事はこちら

②まるで走る高級ホテル&カフェ「サフィール踊り子」(静岡県)

観光特急列車「サフィール踊り子」

観光特急列車「サフィール踊り子」は、JR東京駅から伊豆急下田駅まで約2時間半の区間を毎日運行しています。名前の由来は宝石のサファイヤを意味するフランス語。青く輝く美しい伊豆の海と空のイメージと、上質・高級で優雅な旅を楽しんでもらいたいという願いをこめて付けられたそうです。白と紺の車体が美しく、列車というよりはまるで洗練された建築物が走っているよう。

観光特急列車「サフィール踊り子」のカフェテリア

4号車は、カウンター席とテーブル席があるオシャレなカフェテリア。ここではサフィール踊り子限定の食事やデザート、ドリンクが楽しめます。お土産も購入できるので、旅の記念にもぴったり。車窓の景色を眺めながら過ごすカフェタイムは、なんとも贅沢な時間になりそうです。

▼「サフィール踊り子」に実際に乗車した記事はこちら

③雄大な山々とごちそう「SATONO(さとの)」(福島県)

観光列車「SATONO」

2024年4月にデビューした観光列車「SATONO(さとの)」。もともと「リゾートあすなろ」という名称で青森県や岩手県をメインに走っていた車両が、リニューアルして復活しました。JR郡山駅とJR喜多方駅を約2時間で結ぶ「あいづSATONO」は、猪苗代湖を過ぎると見えてくる、会津のシンボル・磐梯山が見どころです。

観光列車「SATONO」の食事の例

あいづSATONOでは、スマートフォンから沿線のおいしいグルメなどを事前予約できるサービス「うけとりっぷ」を使えば、当日車内で「『あいづSATONO』限定 宝の山100th弁当」を受け取ることができます。つくっているのは、「海苔のりべん」で有名な郡山の福豆屋さんです。また、福島の地酒・おつまみ・SATONOオリジナル唎き猪口が付いた「地酒の森『あいづSATONO』唎き酒セット」を予約すれば、車内でお酒を楽しめます。お猪口はお土産にもなりますよ。

▼「SATONO」に実際に乗車した記事はこちら

④海を見ながら寿司を堪能「べるもんた」(富山県)

観光列車「べるもんた」

観光列車「べるもんた」は、城端線(JR高岡駅・JR新高岡駅~JR城端駅)と氷見線(JR砺波駅・新高岡駅・高岡駅~JR氷見駅)を走ります(※)。乗車時間は約1時間。車両の特徴である大きな窓は、窓枠が最大幅2.52メートルもあり、たっぷりと車窓を楽しめます。車内には富山県南砺(なんと)市の伝統工芸品「井波彫刻」の作品展示も。ちなみに「べるもんた」は愛称で、正式名称は「ベル・モンターニュ・エ・メール」(フランス語で「美しい山と海」という意味)といいます。

※編集部注:乗車日によって運行区間が異なります

観光列車「べるもんた」の食事の例(写真提供:JR西日本) 写真提供:JR西日本

べるもんたと言えば、乗車しないと食べられない食事も魅力の1つ。なんと寿司職人が同乗し、車内で富山湾の新鮮な海の幸を使ったお寿司を握ってくれるのです(要事前予約)。白エビ・紅ズワイ蟹のお造りや富山湾の海鮮丼などもあり、海岸線をゆったり走りながら海鮮グルメを食べるという欲張りな時間を味わえます。

▼「べるもんた」に実際に乗車した記事はこちら

⑤清流と豪華ランチに満たされる「ながら」(岐阜県)

観光列車「ながら」

岐阜県の美濃太田駅から北濃駅を結ぶローカル線・長良川鉄道は、日本三大清流・長良川に沿って走っています。長良川鉄道の観光列車「ながら」は、眩しいくらいのロイヤルレッドの光沢が印象的。車内には地元岐阜県産の木々が使われており、優美で曲線的なデザインから自然の温もりが感じられます。

※編集部注:ながらの運行区間と乗車時間はプランによって異なります

観光列車「ながら」の食事の例

「1号ランチプラン」は、美濃太田駅から郡上八幡駅まで約1時間半、長良川の景色を眺めながら、都ホテル岐阜長良川の日本料理・料理長がつくる岐阜県産の食材をふんだんに使った和食弁当とデザートが楽しめるプランです。鮎の唐揚げの酢漬けや清流美どりのステーキ、そして飛騨牛すき焼き。〆にはお茶漬けとデザートまでつく、至れり尽くせりの内容です。

▼「ながら」に実際に乗車した記事はこちら

まだまだたくさん!観光列車の乗車レポート

車内にいながらその土地ならではの魅力を存分に堪能できる観光列車。食事もこだわりたっぷりで、お腹も心も満たされる非日常体験になりそうです。観光列車を目的に日本各地を旅してみるのはいかがでしょうか。

今回紹介した以外にも、びゅうたびライターが実際に観光列車に乗車したレポート記事はまだまだたくさんあるので、ぜひご覧ください!

列車と宿がセットでお得に申込みできる「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」では、往路の着駅と復路の発駅をアレンジできるので観光列車の旅にもおすすめ!

(例)「ろくもん」の場合:往路乗車区間「東京駅→長野駅」・復路乗車区間「軽井沢駅→東京駅」など

掲載情報は2025年11月26日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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