トラベルライターの大浦春堂です。今回は日本の魅力を再発見できる、南東北エリア(宮城県・山形県・福島県)の歴史や文化スポットを10か所ご紹介します。旅をする際の参考にしてみてくださいね。
日本三景のひとつに数えられる松島は、緑に覆われた島々と青い海のコントラストが美しい、風光明媚なスポットです。そんな松島を語る上ではずせないスポットが瑞巌寺。正式名称を「松島青龍山瑞巌円福禅寺」といい、801年に坂上田村麻呂が多聞天像を安置する堂宇を開いたのが始まりと伝えられています。その後、1604年にこの地を治めた武将・伊達政宗が新たに伽藍を造営。伊達家の菩提寺として栄え、今も残る本堂などの一部建物は国宝に指定されています。
本堂に設えた絢爛豪華な金色の襖絵や宝物館に展示された数々の文化財など、歴史や戦国武将好きならばつい見入ってしまうはず。
松島を訪れた際は、「奥州三大霊場」に数えられる金華山黄金山神社にもぜひ立ち寄って。女川港や鮎川港から船に乗って参拝しに行くというめずらしい神社で、島全体が御神域となっています。日本初となる金の産出を記念して750年に創建され、「3年続けてお参りすれば一生お金に困ることはない」といわれているのだそう。
拝礼の際には「一層のご縁がありますように」と願いを込め、鈴の緒のふさに五円玉や五十円玉を結ぶ「ふさ銭」もお試しあれ。
数ある仙台名物のなかでも、とりわけ観光客に人気があるのが牛タン。駅構内や仙台の繁華街・国分町には多くの名店がひしめき合っています。なかでも穴場スポットとしておすすめなのが、駅前からバスで10分程度のところにある「牛たん萃萃(すいすい)」。テレビ東京の人気ドラマ『孤独のグルメ』でも取り上げられた、食べ応え抜群のジューシーな厚切り牛タンは絶品ですよ。牛タンでご飯をがっつり頬張るもよし、冷たいビールのアテにもよし。仙台名物を思いきり堪能して。
1458年に開湯したかみのやま温泉郷。沼地に湧いたお湯で鶴が傷を癒し、飛び立ったことから発見されたと伝わります。温泉地としてだけでなく、上山藩の城下町として発展。お城を囲むようにして、武士のための湯屋や庶民が使う湯屋などの温泉街が形成されていきました。
現在では5か所の共同浴場があり、150円で入浴することができますよ。ほかにも足湯の施設も5か所あるので、宿場町の風情のなかをそぞろ歩きながら湯巡りするのもおすすめです。
東京から新幹線で約3時間、さらにバスに乗り継いで約40分のところにある銀山温泉。奥まった場所にある印象ですが、ライトアップをした温泉街の様子は旅情たっぷりで時間をかけてでも行きたくなるはず!
銀山川の両岸に広がる独特の景観は、大正末期から昭和初期に旅館が建てられた際に形成されました。いまでは大正ロマンの風情漂う風景から、歴史文化夜景遺産にも選定されています。小さな温泉街に飲食店や土産物店が点在しているので、湯上がりにカメラ片手にお散歩するのも楽しいですよ。
お酒が好きな人なら、旅行の機会に一度は行ってみて欲しいのが酒蔵見学です。蔵人達がどんなふうにお酒を造っているのか、仕込みの時期でなくとも雰囲気やその思いを理解できるはず。
山形市内にある男山酒造は1789年の創業で、日本酒ファンにも人気の高い「男山」でも知られるお蔵です。地下100メートルから汲み上げる硬水を仕込み水に使い、山形産の酒米にこだわった酒造りをしています。タイミングが良ければ、都内に出回らない限定酒を買うことができますよ。
日本酒好きの方に向けて、もう一軒とっておきのお店をご紹介しましょう。福島県・喜多方市にある「会津田舎家」は、会津のおいしい日本酒と郷土料理が味わえるお店です。ここで味わって欲しいのが、徒歩15分ほどのところにある地元の酒蔵・夢心酒造の銘酒「奈良萬」。雑味のないスッキリとした飲み口は、ついついお酒が進んでしまいます。会津の名物・こづゆや新鮮な馬肉料理など、おいしいお酒と料理に舌鼓を打って。
喜多方のおいしいものといえば、縮れ麺に滋味深い醤油味の喜多方ラーメンも忘れてはいけません。喜多方市には「朝ラーメン」という変わった食文化があるのですが、なんでも三交代勤務制の工場が多かったことから、朝からラーメンを食べるのが根付いたとか。
市内の喜多方ラーメン店には早朝7時台からオープンしているところもいっぱい。ラーメンといえど、あっさりとやさしい味のスープなので女性でもペロリといけてしまいます。朝からラーメン店のハシゴをしながらお店ごとの味比べをしたり、混雑するお店の様子を見物したりするのも楽しいですよ。
8,000万年の時間をかけて作られた、美しい自然の造形美を味わえるのが、「入水鍾乳洞」と「あぶくま洞」というふたつの鍾乳洞です。ややハードな冒険をしたい人には、水のなかを潜り抜ける「入水鍾乳洞」がおすすめ。鍾乳洞特有の景観をゆっくり味わいたい人は、ライトアップが美しい「あぶくま洞」を選んでみて。
歴史的建造物が好きな人の旅先にうってつけなのが、茅葺き屋根の古民家が保存された大内宿です。会津西街道の宿場町で、30戸以上の茅葺き屋根の民家が街道沿いに残る独特の景観は1981年には国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。
名物のネギを箸代わりにして食べるねぎそばや、べったらもちなどを商う店も宿屋も、現役の古民家で、タイムトリップ気分で滞在することができます。
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南東北エリアのおすすめ10スポットをご紹介しました。歴史や文化を知ることができるスポットの宝庫で、古き良き日本を見つけてみては。
掲載情報は2020年8月7日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。