10軒の銭湯が“自家源泉所有”……だと? 風呂好きの聖地・青森市で住宅街の秘湯巡り

青森市は銭湯=温泉!?風呂好きの聖地で住宅街の秘湯巡り

東京駅から約3時間半、マイ桶片手に青森駅にやってきました。風呂デューサーの毎川直也です。
青森といえば山の温泉地のイメージが強いですよね。実は青森市内では15軒の銭湯が営業しており、うち10軒が自家源泉を所有している温泉パラダイスなのです。

今回は青森市内に点在する、「地元の秘湯」を巡る旅を楽しんできます。

住宅街の奥深く、動物たちに会える大福温泉

青森駅から車で15分の銭湯「大福温泉」の前に立つ毎川直也

まずやってきたのは青森駅から車で15分、住宅街の中でひっそりと営業している大福温泉

大通りから住宅街に深く入ったところにあるこの銭湯、タクシーの運転手さんも経験に頼らず、場所をきちんと調べてから向かっていました。そんな立地に加え、私たちの銭湯のイメージとは異なる外観……まさに住宅街の秘湯!

青森の銭湯「大福温泉」の広々とした浴室

大福温泉に湧くお湯は、アルカリ性単純泉。pH8.64と高めの数値を有する美肌の湯です。温泉に溶け込んでいる成分が薄く、刺激の少ない、日々使いにぴったりの温泉です。

写真右手には、体の疲れを吹き飛ばすお父さんの味方、サウナと水風呂も完備されています。

青森の銭湯「大福温泉」で入浴する風呂デューサー毎川直也

浴室奥には、巨大ロボの武器っぽいネーミングの「多連式座り風呂」と「寝湯」があります。
これらの湯船にお湯を注ぐ湯口……リスと熊だ! フロントの方に「子どもたちに喜んでもらうためですね?」と聞いてみたところ「たまたま売ってたから」とのことでした。

青森の銭湯「大福温泉」のリスと熊の湯口

動物湯口とぬるめの温度設定に加え、優しい肌触りの温泉……穏やかな入浴を楽しめます。

青森観光で1時間余ったら徳乃湯温泉へ!

青い森鉄道「筒井駅」から近くにある徳乃湯温泉

次の予定まで、ちょっと時間があるな……徳乃湯温泉は、そんな旅人の味方です。

青森駅から青い森鉄道でひと駅の「筒井駅」徒歩2分! 電車旅には最高にうれしい立地なのです。

徳乃湯温泉で入浴し十和田湖の背景画を眺める毎川直也

適温の湯船に身を沈めてから顔を上げると、銭湯の象徴でもある背景画がドーン! この背景画、場所は十和田湖、奥入瀬です。

湯船の縁に頭をのせてボケーっと眺めていると、朝靄のなか奥入瀬の川岸露天風呂に入っている気分になりました。

徳乃湯温泉の水風呂に浸かる風呂デューサー・毎川直也

徳乃湯温泉で浸かるべき湯船は、この水風呂。源泉をかけ流しています。源泉温度は27.8度とキンキンに冷えているわけではないので、体温の急低下を少し抑えつつクールダウンできそうです。

水風呂で締めることでポカポカが持続するのだとか。さらに、湯上りの汗が引くことで服が湿らず、湯冷めしにくくなるらしいです。

徳乃湯温泉のハンサムなご主人に話を伺う毎川直也

ハンサムな徳乃湯温泉のご主人に話を伺いました。
「今使っている温泉は、平成元年に掘削したもの。お客さんにはキュッキュッとした肌触りの良さが好評だね。あと、この時期、青森はなまこがうまいよ!」
オススメしてくださったのに、この日の夕飯、ラーメン食ってしまってすみません…………!

話を伺ううちに、貴重な情報をいただきました。
「青森市内には、早朝からやっているところも多いよ」
朝からお客さんが来るの!? 様子を見てみたい……!

2日目は朝銭湯を実体験!

風呂桶片手に青森駅前に立つ毎川直也

気温0度。青森の朝です。

この時、朝7:45、青森県民の文化、朝銭湯を体験してみましょう。
それにしても寒い! 銭湯に行くどころか、みなさん布団から出られないのでは……。

青森駅と新青森駅から9分「出町温泉」の外観

やってきたのは青森駅から車で9分、出町温泉です。こちらも住宅街に位置しています。新青森駅からも9分と近いため、朝、新幹線に乗る前に、ひとっ風呂浴びるのもいいですね。
裏手の駐車場には10台ほどの車が止まっていました。意外とお客さん、来てます。

出町温泉の富士山の背景画を前に入浴する毎川直也

浴室に入ると、壁一面に富士山が! この背景画は、昭和44年の創業当時から出町温泉を見守り続ける、超縁起物です。
湯船の縁からは、かけ流しのお湯がザバザバ洗い場へ流れていきます。ああ……贅沢だ!

風呂桶に注がれる出町温泉の源泉そのもののお湯

このカランから出るお湯は、源泉そのもの。桶に湯をくめば、その中には小さな一番風呂が完成されているのです。湧出時の温度が適温で、かつ湧出量がないとできません。
出町温泉はアルカリ性単純泉。pHは9.2、数値としては驚異的です。桶の中で手をこするとぬるぬるした感覚があり、湯上がりは非常にさっぱりと仕上がりました。

雪かきが生んだ朝銭湯文化

出町温泉の方に、早朝営業について、お話を伺いました。

青森では、なぜ朝銭湯に入る習慣が今も残っているのでしょうか?

出町温泉のフロントで話を伺う風呂デューサー毎川直也

「雪かきではないでしょうか。朝雪かきをすると汗をかきます。家の風呂だと湯船が小さいので冷めやすいですし、朝からお湯張りするのも面倒ですから。」
雪かきは汗をかくくらいの重労働、しかも冬場は連日の作業です。腰が痛い、腕が痛い……そんな肉体疲労を癒やすのにも、銭湯が一役買っているのかもしれません。

出町温泉の朝風呂から出た風呂デューサー毎川直也

朝銭湯のあとは外気が気持ちいい!! 青森で寒さが快感と思える、数少ないシーンだと思います。

なぜ青森市内には温泉が多いのか、青森県浴場組合に問い合わせてみました。
青森市内は温泉が湧きやすい土壌であり、かつある程度高めの温度をもって湧出するため、真水から沸かすより少ない燃料費で営業できるのです。温泉の条件が整っていることに加え、豪雪地帯ゆえに外で遊ぶことが少なく、近所の人たちと交流できる銭湯が重宝された歴史があるのだそう。
浴場組合加盟の青森市内の銭湯は昭和45年に62軒を数え、現在は15軒。どんどん減っています。

JR新青森駅前で風呂桶を掲げる風呂デューサー毎川直也

旅の締めにも最適! 新幹線に乗るまで体が冷めません。

青森市内の温泉銭湯は、温泉のレベルが高いにもかかわらず、大混雑はしていない。お客さんや、従業員の方から地元の情報を収集できて、朝銭湯という青森県独自の文化も体験できる。そしてなにより、安い料金で楽しめる! 青森、新青森で下車したのに温泉銭湯に行かないのは絶対損です。私は温泉銭湯目的で青森に来るのもありだと思います。
温泉に浸かりたくなるこの季節、青森に足を運んでみてはいかがでしょう?

この旅を体験するならこちら

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