上杉家の足跡をたどって米沢へ。「信長」と呼ばれた娘との歴史旅

あるとき娘の学校へ行くと、どこからともなくこんな声が聞こえてきました。
「おい、信長~」
ほう。そんな名前の子がいるのか、と思ったのもつかの間。
「何?」
返事をしたのは目の前にいた我が娘だったのです。え、信長って、あなただったの……。

根っからの織田信長好きが高じて、いつしか自分自身が「信長」と呼ばれていた娘。そんな彼女には数年前からどうしても行ってみたい場所がありました。山形県にある、伝国の杜・米沢市上杉博物館。ここには信長が上杉謙信(うえすぎけんしん)に贈ったとされる、上杉本洛中洛外図屏風が所蔵されているのです。大変だった中学受験も終えたことだし、このタイミングで一丁行っておきますか、米沢! ということで、信長と呼ばれた娘とその母は、米沢歴史旅に繰り出したのでした。

いざ行かん!歴史とグルメの米沢へ

東京から米沢までは新幹線で約2時間。たくさんの旅人たちでにぎわうJR東京駅から「つばさ127号」に乗り込んで、いざ出発です。

行くぜ東北、行くぜ米沢。つばさに乗って

行くぜ東北、行くぜ米沢。つばさに乗って

あっという間にJR米沢駅へ到着しました。

米沢駅

駅名の赤が色鮮やかで印象的な米沢駅

最初に訪れたのは、駅から車で10分ほどの場所に位置する松が岬(まつがさき)公園。米沢城跡につくられた公園で、今回のお目当てである上杉博物館をはじめ、上杉家にまつわるさまざまな名所が集結しています。どこから回るか迷いつつも、まずはやっぱり上杉神社から。

上杉神社鳥居

上杉神社の堂々たる鳥居

上杉神社には、戦国時代最強の武将のひとりとして知られる上杉謙信が祀られています。

上杉神社の本殿。明治神宮の設計者としても知られる伊東忠太による設計

上杉神社の本殿。明治神宮の設計者としても知られる伊東忠太による設計

厳かなたたずまい。境内には、太鼓をドンドンと打ち鳴らしながらの力強い祈祷の声が響いていました。

毘の旗

参道の入り口に掲げられた「毘」と「龍」の旗。上杉謙信は自らを戦いの神、毘沙門天の生まれ代わりだと信じていたとされ、軍旗にもこの「毘」の字が記されていたといいます。

参道を歩く娘

参道を歩いていると、さっそくお目にかかることができました。こちら、上杉謙信さんです。

上杉謙信像

私たちが今いる場所は、かつて上杉謙信も歩いたであろう場所……銅像を前にしみじみと感じ入る私に、娘が一言。「いや、歩いていない」
えっ!? ……なんでも、上杉家が米沢に城を構えたのは上杉謙信が亡くなったあと、上杉景勝(うえすぎかげかつ)の代のことで、上杉謙信は後に亡骸を運ばれてきたのだそう。

とはいえ、せっかくなので記念撮影をしました。

娘の兜を見る母

で、娘がかぶっているものは一体何かといいますと、上杉謙信の兜です。なんとこれ、紙でできてます。出発前夜、親子で夜なべして作りました。ここで図面を印刷することができます

よく切れるカッターナイフを使いましょう

よく切れるカッターナイフを使いましょう

上杉謙信の兜には、この写真のように、飯縄権現(いづなごんげん)という神様がついてます。カッコいい。こんな兜をかぶった人に戦いを挑まれたら、怖くて震え上がりそうですね。

続いて現れたのは、何やら仲の良さそうなお二人。上杉景勝とその側近、直江兼続(なおえかねつぐ)です。

上杉景勝像と直江兼続像

上杉景勝は、生涯子どもを持たなかったといわれる上杉謙信の養子で、米沢藩の初代藩主となった人物。そして直江兼続といえば……

直江兼続像 愛の兜アップ

こちら、「愛」の兜で有名な人です。愛という字は「愛宕権現」からとったという説が有力だそうで、いくらセンスが暴走族っぽいからといっても“愛羅武勇”の愛ではありませんし、個人的にとても好きです。愛を頭に掲げて戦う兼続の姿勢が。ですからリスペクトを込めて、こんなものも用意してきました。

娘の愛の兜アップ

兼続の愛と、我ら親子の愛のぶつかり愛

おやおや、そうこうしているうちに今度は上杉鷹山(うえすぎようざん)さんも登場です。

上杉鷹山像

「それ誰?」という方も、この言葉はご存じでしょう。

なせば成る石碑

「これ言ったの、相田みつをかと思ってた」と漏らした私に「みつをなら“なせば成るんだなぁ”でしょうが」という娘の指摘。正しい。

上杉神社を出て、すぐお隣には、稽照殿(けいしょうでん)という宝物殿があります。

上杉神社稽照殿

ここには上杉謙信の甲冑や、直江兼続の愛の兜(本物!)など、上杉家にちなんださまざまな宝物が収められているとのこと。見、見たい……!

稽照殿看板

ところが今回訪れた際には残念ながら休館中。無念です……!

歴史もいいけど、やっぱり米沢牛!

さて、歴史もいいけど、そろそろおなかもすいてきたね、ってことで私たちは松が岬公園敷地内にあるこちら、上杉伯爵邸にやってきました。
国の登録有形文化財である建物の中で、米沢牛をはじめとしたご当地の料理をいただくことができるのです。

上杉伯爵邸入り口

頼もう、頼もう!(という気分)

上杉伯爵邸お座敷

柔らかな光の入り込む、美しいお座敷

せっかくなので、米沢牛のステーキがついた「花の膳」というランチコースをオーダーしました。

お膳

うこぎ御飯や鯉ことこと煮などの郷土料理が、目にも鮮やかに並べられている

ステーキ

満を持して登場、米沢牛のステーキ!

お肉だと思えないほど甘く、柔らかいんです。米沢の大地へ、米沢の牛へ、感謝で胸がいっぱいになりました。ごちそうさまでした。

古き良き温泉街、小野川温泉

続いて向かった先は、湯治場としても知られる古き良き米沢の温泉街、小野川温泉です。松が岬公園からは車で15分ほど。

風情のある街を歩いていると、ふとこんな建物を見つけました。

小町観音

小町観音。小野川温泉を最初に見つけたのは、小野小町だといわれているんです。これにちなんで、小野川温泉は美人の湯として知られているとか。

小野小町の休んだ石

小町が休んだとされる石。とりあえず座っておく

途中、つたやさんというお土産物屋さんで、不思議な食べ物を見つけました。

つたや 外観

それがこちら。

ラジウム卵ソフト。「うまいたれ」というだししょうゆがかかっている

ラジウム卵ソフト。「うまいたれ」というだししょうゆがかかっている

何を隠そう、私は無類の温泉たまご好きなのですが、はたしてこれはどうだろう。おそるおそる温泉たまごを割って、黄身をアイスにからめて食べてみると……意外にもおいしい。ソフトクリームが、もったりと濃厚な味わいになるのです。底の方に敷いてあるポン菓子が、またいい仕事してました。

山形銘菓「ミルクケーキ」と小野小町

山形銘菓「ミルクケーキ」と小野小町

歩き疲れたところで本日のお宿、湯杜 匠味庵 山川にチェックイン。

湯杜 匠味庵 山川 外観

湯杜 匠味庵 山川 露天風呂

旅の疲れを癒やすべく、美人になる露天風呂に浸かったあとは……

湯杜 匠味庵 山川 宿の夕食

お待ちかねの晩ご飯

米沢牛、今度はすき焼きでいただきます。1日に2回も米沢牛を食べるなんて、贅沢すぎて死んだおばあちゃんに怒られそうです。でもぺろりと食べきって、おなかいっぱいで眠りに就きました。

ついに洛中洛外図屏風とご対面

2日目。宿をあとにした我々が向かった先は伝国の杜・米沢市上杉博物館。ついにこの旅のお目当て、上杉本洛中洛外図屏風を所蔵する場所へやってきました。

米沢市上杉博物館 外観

米沢市上杉博物館に到着

常設展では、謙信・景勝そして鷹山を中心に、上杉家の歴史がわかりやすく展示されています。

米沢市上杉博物館 直江兼続、上杉景勝の兜

兼続の兜のお隣は上杉景勝の兜

米沢市上杉博物館 上杉謙信の兜

上杉謙信の兜も発見

米沢市上杉博物館 ジオラマ

江戸時代の下級武士の暮らしを知ることのできるジオラマ

 

そしてついに洛中洛外図屏風とご対面……というときになって、衝撃の事実が発覚。なんとこの日展示されていたのは「複製」だったのです。充分精巧に作られているとはいえ、やっぱり本物が見たい。なんでも4月21日から始まる直江兼続の特別展では本物が展示されるということで、私と娘は再訪を固く誓い合ったのでした。

忘れちゃいけないフルーツ王国

東京に戻る前にもう一軒、どうしても立ち寄っておかねばならないところがありました。それがこちら。米沢駅から車で5分ほどの場所にある、フルーツショップキヨカです。

フルーツショップキヨカ

なにしろ、ここは山形。フルーツ王国だもの。

フルーツショップキヨカ 店内

さまざまなフルーツが所狭しと並べられている店内

フルーツショップキヨカ 2階

イートインスペースは2階に

ここで私たちがオーダーしたのはこちら。

フルーツショップキヨカ フルーツパフェ

器から溢れちゃってる見事なフルーツパフェ

なんかもう爆発的です。インスタ映え爆弾です。胸、躍る。
そしてこちらは、娘の頼んだいちごパフェ。

いちごパフェ

見よ、このストロベリーマウンテン

すべて注文を受けてから切るというフルーツは新鮮でみずみずしく、夢中になって食べている間、親子の一切の会話がなくなりました。

おなかいっぱいになった我々。ここでようやく満足して、帰路に就きました。

米沢城址の凍ったお堀の前に立つ娘

あらためて、1泊2日の米沢旅。洛中洛外図屏風や上杉神社稽照殿など、残念ながら今回は見ることのできないものもありましたが、だからこそぜひリベンジを兼ねて再訪したいと思いました。

歴史を学びながら、同時に食欲も存分に満たせる米沢の旅。みなさんもぜひ、親子で訪れてみてはいかがですか?

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