日本酒好きなら旅先として気になるのがその土地ならではの「酒蔵」。2024年12月に、日本酒や焼酎、泡盛といった日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決定し、日本の酒造りは世界的にも注目を集めています。
今回は、びゅうたび編集部おすすめの酒造見学が楽しめる酒蔵・スポットを5つご紹介。歴史的な建物や酒造の技術、杜氏のこだわりに触れたら、より一層日本酒に魅了されることでしょう。見学後、現地でいただく試飲は格別!
お酒好きのびゅうたびライターが実際に現地を訪れ、日本酒の魅力を熱くレポートしているので、そちらの記事もあわせてご覧ください!
【目次】
JR新潟駅から徒歩約20分の距離にある「沼垂(ぬったり)醸す地区」と呼ばれるエリアには、日本酒蔵や味噌蔵、麹屋が集まっています。日本酒の酒蔵「今代司(いまよつかさ)酒造」は、創業250年以上の老舗酒蔵。日本酒造りには寒い季節が適しているそうで、ピークは大体11月から3月末まで。今代司酒造の酒蔵見学はとても人気で、毎日開催しています。案内人の方と一緒に酒蔵を見学し、その後は日本酒だけでなく、甘酒の試飲もできますよ。
■施設情報
住所:新潟県新潟市中央区鏡が岡1-1
アクセス:JR「新潟駅」から徒歩約15分
沼垂醸す地区から徒歩10分ほどの場所にある「沼垂テラス商店街」内の酒場「大佐渡たむら」。地元の人はもちろん、観光客にも愛される居酒屋で、まだ暗くなりきっていないうちから、店内は大にぎわい。お酒が進むメニューが豊富で、「刺し盛りセット」や「牡蠣のバター焼き」、「菜の花のおひたし」など日によっておすすめが変わります。地元の人との交流も生まれ、楽しい時間が過ごせそうです。
▼「今代司酒造」を実際に訪問した記事はこちら
JR越後湯沢駅から上越線に乗り、30分ほどのJR五日町駅で下車。そこからタクシーで10分ほどのところに「魚沼の里」があります。日本酒「八海山」などで有名な八海醸造株式会社が運営する、魚沼の暮らしや雪国の文化を知れる施設。広い敷地内に、食堂や醸造所、研究棟などを併設しています。目玉は「雪中貯蔵庫見学ツアー」。八海山雪室には1,000トンの雪を収容する雪中貯蔵庫があり、1年を通して安定した保冷力があるそう。雪の冷気をいかし、お酒をゆっくり熟成させたり、製品を冷蔵したりしています。
■施設情報
住所:新潟県南魚沼市長森
アクセス:JR「五日町」駅から車で約10分
越後湯沢駅周辺の商店街を散策していると、現れるのが「たつのや酒店」。新潟のこだわりのお酒を角打ちのようなスタイルで飲める場所です。入店すると、手書きのお品書きがずらり。創業80年近くで、店員さんとのお酒トークも弾みます。駅近なので列車の時間までにふらっと立ち寄るのもよさそうです。
▼「魚沼の里」を実際に訪問した記事はこちら
JR八戸駅から八戸線で約15分のJR陸奥湊駅。そこから歩いて約5分の場所に「八戸酒造」はあります。江戸時代から続く老舗で、2021年には世界酒蔵ランキングで1位を獲得。銘柄には、港町の男酒といわれ1910年に商標登録された「陸奥男山」と、東京などでも流通し1998年に八代目蔵元が立ち上げた「陸奥八仙」の2つがあります。2017年から日本酒を造った際にできる酒粕で、焼酎やスピリッツなどの蒸留酒も造っているそう。酒蔵見学では試飲も楽しめて、提供される銘柄はその時々で変わるので一期一会の出合いが待っています。
■施設情報
住所:青森県八戸市湊町本町9
アクセス:JR「陸奥湊」駅から徒歩約5分
「みろく横丁」は、およそ25店舗の屋台が連なる、はしご酒にはもってこいのスポット。青森ならではの日本酒と食を存分に堪能することができます。2024年4月にリニューアルし、さらに魅力がアップ! 八戸酒造がある陸奥湊駅から八戸線で約5分のJR本八戸駅にあり、駅からは徒歩10分ほどで到着するので、アクセスも◎。
▼「八戸酒造」を実際に訪問した記事はこちら
東京駅から約1時間半のJR郡山駅で東北本線に乗り換え、JR二本松駅へ。駅から歩くこと23分(タクシーで5分)ほどの場所にあるのが、生酛(きもと)づくりで有名な「大七酒造」。酒造期以外の見学コースでは、大七酒造が復活に力を入れる仕込み蔵の木桶も見ることができます。現代の酒造りではホーロータンクが主流ですが、木桶には蔵の微生物が棲み着き、酒に個性が生まれるそう。もちろん試飲もでき、生酛づくりのお酒は、しっかりと味がのっていて、ブルゴーニュの白ワインに匹敵するような旨さだといいます。
■施設情報
住所:福島県二本松市⽵田1-66
アクセス:JR「二本松」駅から徒歩約23分もしくは車で約5分
お座敷とトロッコ・展望を組み合わせた「お座トロ展望列車」。1両目はトロッコ車両、2両目はお座敷車両になっています。絶景を見ながら、駅で購入したお弁当をつまみにカップ酒を嗜むのもいいですね。そして、見逃せないのが終点の会津田島駅にある自動販売機。なんと南会津の地酒が試飲できるという、特別な自動販売機なんです。
▼「大七酒造」を実際に訪問した記事はこちら
JR郡山駅で磐越西線に乗り換えて約1時間20分でJR会津若松駅に到着します。「末廣酒造 嘉永蔵(かえいぐら)」へは、会津若松駅から徒歩約18分(もしくはバス)。江戸時代末期に創業された末廣酒造では、嘉儀(かぎ)金一郎氏考案の少しマニアックな製法「山廃(やまはい)造り」が継承されています。酒造りやその歴史を学べる場として、蔵ミュージアムを併設。カフェもあるのでお酒が苦手な人も楽しめる酒蔵です。
■施設情報
住所:福島県会津若松市日新町12-38
アクセス:JR「会津若松」駅から徒歩約18分
末廣酒造 嘉永蔵から徒歩約3分の近場にある「鶴乃江酒造」は、「会津中将」「ゆり」の銘柄でお馴染み。銘柄にもなっている「ゆりさん」は女性杜氏で、近年の日本酒業界において女性が酒造りをするのは珍しくありません。直売所はまるで日本酒のテーマパークのようで、お気に入りの日本酒にきっと出合えるはず。
▼「末廣酒造 嘉永蔵」を実際に訪問した記事はこちら
列車を使った旅行なら、車の運転を気にせず日本酒を存分に堪能できるのもいいところ。酒蔵のこだわりに触れたら、ますますその日本酒が好きになりそうです。その場で満喫するだけでなく、お土産を購入すれば旅から帰ったあともじっくり楽しめますね。
今回紹介した以外にも、びゅうたびライターが実際に酒造見学や酒蔵訪問などをした「日本酒旅」の記事はまだまだたくさんあるので、ぜひご覧ください!
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掲載情報は2025年2月26日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。